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足立区都市農業公園だより(1)

―有機農業サポート室活動レポート―

『有機で豊かな環境を』

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

 

 

 

今年から田んぼ、畑を有機栽培へ

首都高速道路の高架脇にある農業公園


 今年の四月から、日本有機農業研究会有機農業サポート委員会から指導作業員として派遣され,足立区都市農業公園(東京)の畑と田んぼを有機栽培に転換するお手伝いをすることになりました。理事の魚住道郎さんが中心となり、同じく指導作業員の梅原美奈さんとの三人で働いています。私は現在,埼玉県の富士見市と三芳町あたりで農薬不使用の野菜を栽培しています。実家の東京都板橋区からの通い農民です。

 

 一昨年、富士見市下南畑で有機農業をなさっている渋谷さんのお宅で一年弱研修をしました。去年から渋谷さんのご好意で、畑を貸してくださる方を紹介していただき、一反五畝程度、四か所の畑をやっています。今,畑を広げる話がきていて、ようやく専業農家に近づいてきたかなぁというところ。都市農業公園は,私の家から車で三〇分という好立地です。私は水、金曜日の週に二回、都市農業公園で働いています。作付けや、畑の回し方は魚住さんがされています。梅原さんと私はそのサポート隊です。

 

 都市農業公園の設備は充実しています。古民家、自然環境館(子どもたちなどに体験教室などを行っている)、レストラン、ハーブ園、小動物園、滑り台などがある公園、陶芸部屋、紙すき部屋、染物部屋、農機具展示場、池、芝生の広場などがあります。

 

 週末となると家族連れなどたくさんのお客さんで賑わっていて、平日は幼稚園、小学校などの見学場所にもなっています。公園ということもあって,花なども多く、来園者の目を楽しませています。そして農業公園という名前のとおり、畑と田んぼが公園の中にあり、そこがわれわれの仕事場所です。

 

 

 

堆肥づくり、苗の移植から

堆肥つくり バケットで切り返し作業


 われわれがまず取りかかったことが、堆肥づくり。材料となる落ち葉は事欠くことがなく、それらを切り返すバケットが用意されると、われわれの仕事も徐々に動き出してきました。四月、五月は種まき、苗の植え付けで忙しかったです。魚住さんは特に大変でしたが、持ち前のバイタリティーで引っ張っていきました。魚住さんが用意してくれた苗を、都市農業公園の方たちと一緒に、はじめは「こう植えるんですよ」と教えながら植え進んでいきました。回数をこなすにつれ,手際もよくなっていきました。一通り植え終わり、畑も小さな野菜たちで埋まっていくと、次は田植えが待っています。

 

 

 

体験教室に区民80名、楽しい交流の場

6月の畑(ナスやトウモロコシ)

育ち始めた大豆畑


 都市農業公園では、イネづくり体験教室をやっていて、80名ほどを募集し、第一回の田植えから第二回草取り、第三回稲刈り、第四回脱穀、精米、第五回餅つきと五回に分けて、作業を体験できます。これまでに田植えと草取り体験を行いました。

 子ども連れの家族参加がほとんどでした。二つの田んぼを午前と午後で、それぞれ四〇名ずつで植えていきました。土から離れている子どもたちにとって、田んぼの中はとても楽しかったことでしょう。そしてみんながあまりやりたがらない草取り体験教室では、田植えの時より、若干、参加者が少なかったように思えました。ところが、これがなかなか面白かった。子どもたちはカエルや足の出かかったオタマジャクシ、ヤゴ、トンボ、アメンボウなどを捕まえていました。もちろん草も取っていました?よ。この時、魚住さんは豊年エビを捕まえました。この田んぼの豊作をみんなで期待しました。

 

 草取りが終わると、自然環境館の方が田んぼにいる生き物たちのお話しをしてくれました。この時、環境館の方が「今朝、田んぼで捕まえたアオダイショウ」の子どもをみんなの前に見せたのです。嫌がる親、恐る恐るだけれど興味津々の子どもたち。「ヘビのシッポはどこからだ?」の質問にみんな?マーク。「肛門から下がシッポなんだよぉ」「へぇー」私もはじめて知りました。感激。

 

 

 

有機で豊かな環境に

田植え後にやってきた野生のカルガモ


 ヘビまでいるこの環境は食物連鎖の説明をするにはもってこいでした。子どもたちもそれを目の当たりにして実感してくれたのではないでしょうか。私もアオダイショウの子どもがこんなにかわいいとは知りませんでした。つぶらな瞳、指を出すとキュッと巻きついてきます。何かに巻きついていると安心するそうです。私も子どもたちと一緒に新しい発見ができて楽しかったです。現在七月真っ只中、梅雨はいつの間にか明けてしまいました。都市農業公園では、涼しい朝夕に働くことはできないので、暑い時間帯でも働かなくてはならないのが辛いところ。でもこんな高速道路の脇で自然の循環を感じられるところって、貴重ですよ。大切にしないとね。

 

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時~午後5時
【休園日】 12月28日~翌年1月4日まで。公園管理のため前記以外に閉園することがあります。
【TEL】 03‐3853‐4114

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足立区都市農業公園だより(2)

―有機農業サポート室活動レポート―

『有機で豊かな環境を』

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

 今年の四月から、日本有機農業研究会有機農業サポート委員会から指導作業員として派遣され,足立区都市農業公園(東京)の畑と田んぼを有機栽培に転換するお手伝いをすることになりました。理事の魚住道郎さんが中心となり、同じく指導作業員の梅原美奈さんとの三人で働いています。私は現在,埼玉県の富士見市と三芳町あたりで農薬不使用の野菜を栽培しています。実家の東京都板橋区からの通い農民です。

「あれ、なぁに」


 カルガモ親子現る

 

 都市農には池があります。その池の水をポンプで上げて、田んぼに入れたり、黒鳥や、鯉が飼われたりしています。その池になんとコガモを一〇羽も引き連れたカルガモの親子が現れたのです。

 

 私はテレビでしか見たことがなかったので、まさかここで生カルガモ親子を見られるとは思ってもいませんでした。ホントにかわいかったですね。ただ、そこで飼われていた一羽の黒鳥(文字通り白鳥を黒くした姿をしている)にとっては縄張りを荒らす侵入者だったようです。執拗にカルガモの親鳥を威嚇していました。

 

 コガモは親鳥と離れ離れになってしまい、みんなちりじりになっていました。その隙を狙って、カラスなどの天敵が襲ってきたのではないでしょうか? 一〇羽いたコガモが、六羽になり、四羽になり、とうとう最後の一羽になってしまいました。そして残念ながら最後のコガモもいなくなり、親鳥もいつのまにか池からいなくなっていました。これが自然なのでしょうね。

 

 カルガモにとっては大変な環境でしたが、カルガモが子育ての場に選んでくれたことが私たちにとってすごくうれしい出来事でした。

 

銀ヤンマに夢中

 

 お昼休みが終わり、午後の作業が始まる頃でした。都市農の田んぼに銀ヤンマが交尾、産卵にやって来ていました。大変珍しいトンボだったのですね。これを見つけるや否や、指導員の魚住道郎さんの目の色が変わりました。少年のそれに変わったのです。

 「カメラ持って来て! あー、あと長靴!」。カメラを手にした魚住さんは「銀ヤンマはどこ行ったぁ!?」。持ってきた長靴をはくのも忘れて、帽子のつばを後ろに回し、カメラをできるだけ銀ヤンマに近づけることに全神経を注ぎ、シャッターをきり続けていました。

 

 「すごいよ、こんな近くで銀ヤンマが見られて」「いやー感動! 感動だよ!」

 

 私は別の意味で魚住さんに感動でした。こんなに好きなことに夢中になれる魚住さんがうらやましく、魅力的でした。指導作業員の梅原美奈さんと目を合わせて笑ってしまいました。

 後日、そこで撮った銀ヤンマの写真は大きく引き伸ばされていました。よく撮れていましたよ。

 

ギンヤンマの産卵


 寒冷紗の中で、イソシギが出産

 

 蒔いておいた落花生の発芽がまばらで、あまり揃いませんでした。そこで追い蒔きをして、鳥に食べられないようにと、トンネルにして寒冷紗をかけておきました。これで完璧と安心していましたが、なかなか発芽してきません。おかしいなぁ、種が腐ったのかなぁと思っていました。

 

 そんなある日の朝、「ピヨ、ピヨ、ピィー、ピィー」とかわいい泣き声が、聞こえてきました。泣き声からすると一羽ではありません。巣の中で子鳥たちが鳴いている感じです。初めはどこから泣き声がするのか分かりませんでした。

 

 どこかに巣があるのだろうと思い辺りを見回しても、声がする辺りに巣がありそうな木は一本も生えていません。地形のせいで音がどこからか反響しているのかとも思いました。それにしては、近くから聞こえてきます。音を頼りに良く探してみると、なんと落花生にかけておいた寒冷紗の中に鳥が子どもを産んでいたのです。声の主はこの子鳥たちだったのです。(写真上・左)

 

 寒冷紗の中は害敵が襲って来ないし、食料となる落花生がたくさんあります。絶好の子育て場所ですよね。いい場所を良く見つけたなぁと、親鳥(写真上の右)に感心。

 

 都会の中にあって、いろんな生き物がここに集まってくるのが嬉しかったですね。

 

 食べられたであろう落花生は……仕方ないですよね。後から落花生が生えなかった所に、大豆を蒔きました。自然環境館の方に鳥の名前を聞くと「この鳥はイソシギと言う鳥ですね」と言うことでした。

 

 野菜ハウス

 

 都市農には野菜ハウスがあります。ハウスの中に野菜があるのではありません。ビニールハウスの、ビニールの部分が野菜になっているのです。魚住さんのアイデアで、ハウスの骨組みにキュウリ用ネットを張り、そこに野菜を這わせようというのです。つまり、野菜のトンネルが出来上がるわけです。

 

 片方にはキュウリ、インゲン、ニガウリが、もう片方にはミニカボチャ、へちま、そして大和芋が植えられました。その下、つまりはハウスの中にはスイカ、マクワウリ、胡麻、花ナスが植えられました。夏の盛りにはキュウリ、ニガウリ、ミニカボチャがたくさんぶら下がり、今ではヘチマがたくさんなっています。インゲンは、肥やしが強かったのか、アブラムシにやられてしまいました。ニガウリ、ヘチマと、大和芋は蔓がよくしげり、気持ちのいい木陰(蔓陰?)が出来ています。

野菜ハウスのヘチマ


ヘチマの花と実

 カメラを持ってきたお客さんの多くが、このぶら下がった野菜たちを被写体に撮っているようでした。ハウスの屋根からニガウリやヘチマ、ミニカボチャが垂れている景色はなかなか楽しいです。気が付くとポッカーンと口を開けながら見ていますよ。


ウサギ様

 

 今年の夏は暑かった。かわいそうなことに、都市農のウサギたちもこの暑さで弱ってしまいました。そこでウサギたちをクーラー完備の部屋に移したのでした。すると今までの夏バテ振りはどこへやら、仕切りの板を飛び越えそうなくらい、元気一杯に飛び跳ねています。食欲も旺盛。体もコロコロしてきたようです。

 人間は炎天下で畑仕事、ウサギ様はクーラー完備。これがみんなの心に引っかかっていました(もちろん私も含めて)。この話をする時は、決まって愚痴っぽくなります。「いいなぁ、あいつらは」。もうウサギも「あいつら」呼ばわりでした。

 

 散水ホース大活躍

 

 今年の暑さは、野菜に大ダメージでした。毎日のように、ホースによる水やりが続いていましたが、ある日魚住さんは散水ホースを持って来ました。この散水ホースには小さな穴が開いていて、そこから水が霧のように吹き上がる仕組みになっているのです。

 

 このホースを畑中にめぐらし、水道からホースを伸ばし散水ホースに取り付け蛇口をひねっておけば、野菜の葉を潤し、土にゆっくりとしみていきます。乾燥対策で草マルチをしておいた里芋、ショウガ、ナス、ピーマン、トマト、キュウリたちは、このホースのおかげで見違えるように元気になり、そして心配されていたニンジンの発芽もスムーズにいきました。

 

 労力と、時間が大幅に省略されたので大助かりでした。今後も強い見方になること間違いなしです。

 

生き返ったトマト


 綿糸に気を付けて

 

 大豆を蒔き、それが発芽した所は、ハトにとってこの上ないご馳走なのでしょう。都市農の周りにはハトがたくさんいます。だから大豆を蒔いた後は、ハト対策として綿の糸を張り巡らし、それに加えてカカシも作っておきました。

 

 綿の糸を張れば後片付けが楽で、仮に畑に残っても自然の素材なので心配ありません。ただ……黒の糸はなかなか見づらいものです。張っている最中にも、引っ掛けて切れてしまいます。切れた糸を張りなおしている最中にもまた切れてしまいます。これは気を付けて歩かないとまた切れるぞ……。次第におかしな歩き方になっていきます。

 

 足元は大豆を踏まないようにガニ股の大股、姿勢は低く、腰をかがめて、手は暗闇の中を手探りするように歩いて行きます。まるで、有名な絵画を盗もうと、怪盗ルパンがレーザー光線をよけて歩いているみたいでした。糸の効果はありましたが、切れたとこからハトが進入して食べていたようです。

 

 そしてカカシの効果は、おもしろい結果が現れていました。大豆が食べられた所には追い蒔きをしておいたのですが、カカシの周りは、追い播きした大豆も食べられていたのです。

 

 たまたまかもしれませんが、私はこう思いました。ここのハトは、人は餌をくれると思っている。実際ハトに餌をやっている方はいるので、ハトたちはカカシが餌をくれたのだと思ったのですかね。

 

綿糸に気を付けて大豆を播く


 

 夏が終わりあっという間に秋がやってきています。都市農業公園の畑も徐々に、秋冬野菜に模様替えしています。田んぼも収穫の時期を迎えてきます。今度はどんな出来事が待っているのか、収穫祭や、稲刈り体験教室が楽しみです。

 

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時~午後5時
【休園日】 12月28日~翌年1月4日まで。公園管理のため前記以外に閉園することがあります。
【TEL】 03‐3853‐4114

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足立区都市農業公園だより(3)

―有機農業サポート室活動レポート―

『鳥や虫たちとの攻防戦はネバー・ギブ・アップ』

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

 

 八月から九月は夏野菜が徐々に終わり、秋冬野菜へと模様替えする時期となりました。今年の気候はまさに天変地異。暑く雨の無い夏から、ゲップが出るほどの雨をもらった台風の秋。ここ都市農業公園(以降、略して都市農)の畑もその影響を例外なく受けました

親子で稲刈り


 防鳥ネットの中はパラダイス?

 

 都市農は足立区内にあり、そこはまさに東京の真っ只中。そんな所に田んぼや畑があるわけです。都市農の田んぼにはもち米を植えました。八月も終わりになると、田んぼの稲たちも穂を出し、次第に頭を垂れだしてきます。穂の中には乳液状のものがあり、実が入りだします。

 

 「あー、これが美味しいもち米になるのかぁ」と、私たちは楽しみにしていました。ところが、私たち人間以上にこれが大好物な奴がいました。スズメや鳩たちです。コンクリートジャングルに突然あらわれた稲穂は、鳥たちにとったら、たまらないご馳走だったに違いありません。田んぼが見える木の上や高速道路の下から、やつらは狙っていました。夕方になると人間たちは仕事の後片付けをし、畑から姿を見せなくなります。すると、それ今だーと、彼らは群れをなしていっせいに舞い降り、美味しい稲をむさぼります。私は「クゥオラー!!」と叫び、手を叩き追い返しますが、それも一時しのぎ。私たちが居ない時には、思う存分食べているに違いありません。

 

 私たちも指をくわえているわけにはいきません。もしもまわりが田んぼだらけで、一部鳥に食べられたと言うのなら自然への恩返しとして許せますが、ここは都会の中にぽつんとあらわれた有機無農薬もち米地帯です。鳥たちのやる気には殺気立つものがありました。そこで私たちはまず、キラキラ光る防鳥テープで対抗しました。が、この防鳥テープはいい止まり木になっていたようです。これは本格的にまずいと言う事で、都市農の方たちが中心となり、防鳥ネットで田んぼをすっぽり囲ってしまうことになりました。田んぼの周りに杭を打ち、竹で柵を作り、ネットをかけていきました。

防鳥ネットで囲まれた田んぼ


夏やさい(ピーマン・ナス)

 人が作業しているその目の前で、スズメたちはあざ笑うかのごとく稲をついばんでいます。「クソー」と思いながらも、それで食べおさめと思い作業を続け、ついに田んぼはネットですっぽりと覆われました。もうスズメも入ることは出来ません。あくる日一羽のスズメがネットの中に入っていました。どこからか上手く入り込んだのでしょう。人間が近づくと逃げようとして、ネットに体当たりしています。かわいそうでしたが何もして上げられないので、そのままにしました。私はこう思いました。スズメは逃げようとしなければ、そこはパラダイスだなぁと。


 片方にはキュウリ、インゲン、ニガウリが、もう片方にはミニカボチャ、へちま、そして大和芋が植えられました。その下、つまりはハウスの中にはスイカ、マクワウリ、胡麻、花ナスが植えられました。夏の盛りにはキュウリ、ニガウリ、ミニカボチャがたくさんぶら下がり、今ではヘチマがたくさんなっています。インゲンは、肥やしが強かったのか、アブラムシにやられてしまいました。ニガウリ、ヘチマと、大和芋は蔓がよくしげり、気持ちのいい木陰(蔓陰?)が出来ています。

 

 カメラを持ってきたお客さんの多くが、このぶら下がった野菜たちを被写体に撮っているようでした。ハウスの屋根からニガウリやヘチマ、ミニカボチャが垂れている景色はなかなか楽しいです。気が付くとポッカーンと口を開けながら見ていますよ。

 

 夢にまで芯食い虫

 

 

 九月に入り、トマト、キュウリ、スイカ、カボチャ、小豆、ニガウリなど夏野菜の片付けが始まり、その後に、秋冬野菜のコマツナ、春菊、大根、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、白菜などを作付けていきます。

 

 今年の夏は異常な雨不足に高温でした。お彼岸も過ぎれば、過ごしやすくなるだろうと思っていました。

 

 しかし、小松菜は蒔けども蒔けども育ちません。そして定植したキャベツの苗すべてに芯食い虫(野菜の出てきたばかりの芯の部分を植害する)が付き、かなりの芯がもうすでに食われていました。このため魚住さんのキャベツ苗を、三〇〇苗ほど持って来て補植しました。キャベツはもちろんのこと、大根や白菜にもその被害は広がっていきます。大根にいたっては、半分以上がものにならなかったため、再度蒔きなおしました。

大根播種


 こうして芯食い虫との戦いが始まりました。つま楊枝がその戦闘態勢です。一株に五、六匹付いていることは普通です。本当に今出たばかりというくらい小さな新芽にも、つまよう枝の先ほどの小さな小さな芯食い虫が付いています。虫眼鏡で見ないと分からないほどです。これをすべて取り除くのは気の遠くなる作業です。また取りきれているのか、意味があるのか、いつまで続くのかという不安や、薬を使えば楽にすぐ解決できるのに…というイライラがありました。でも、何を言われようともやるしかないのです。人手もあって、やれば助かる可能性がある限り、諦めてはいけません。

大根発芽


芯食い虫取り。武器はつま楊枝

 農薬には使用時に安全と言われる許容範囲というのがあります。ヒト(健康な成人男性)が一生食べても影響がないというのがその許容範囲です。私はこの世の中、成人男性だけではないと思うし、いくら微量でも薬がかかった虫を何十匹と食べるクモや、蜂(ここで薬の濃度が何十倍にもなる)もいてそれを何十匹と食べる鳥(ここで薬の濃度は何百倍にもなる)もいます。そうしているうちに薬の濃度は私たち人間が食べる頃には何千倍、何万倍にもなっています。薬は雨水を介して川や海に溶け込んで行きますので、魚にも同様の影響があるのではないかと思います。


白菜の潅水と定植

 私たちはヒト科の生き物だけで生きているのではありません、地球上の生き物たちと共に生きているのです。人を刺す危険のある蜂は、野菜の受粉の手伝いをしてくれています。蜂の生態をよく調べもしないで、ただ危険だというだけで殺し、野菜の受粉が上手くいかないとホルモン剤を使うのでは、結局不効率です。もっと自然の循環を勉強しなくてはいけません(もちろん私も)。

 そんな気持ちで、ずーっと芯食い虫を取り続けました。夢にも芯食い虫は出てきました。本当に大変でしたが、それに野菜も答えてくれます。


 また、つい先日都市農で行われた収穫祭(この模様は、次回お伝え致します)に来られていたお客さんの中に、以前私たちが虫取りをしている姿を見て、がんばっているなぁと思い、今回の掘り取り体験に参加してくれた方がいました。そのために一時間以上も並んで待って下さっていました。それを聞いた時、私たちも丹精こめて作った野菜を、こんなに並んで買って下さり本当に有り難いと思いました。これが何よりのやりがいになりますよね。

 

 自然環境は日々めまぐるしく変化しています。でもそれは私たちに対する警告にも取れます。今年は、大変な年ですが、起こってしまった事は受け入れ、そして諦めないようにと思っています。

刈りとった稲


 

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時~午後5時
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足立区都市農業公園だより(4)

―有機農業サポート室活動レポート―

「論より証拠」の収穫祭―無農薬で立派に育った野菜たち

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

 例年に比べるとあたたかい今年の秋ですが、虫の被害もひところに比べると落ち着きだし、実りの秋を迎えました。ここ足立区立都市農業公園(以下略して都市農)の稲穂も頭を垂れ、秋野菜が実りました。

 

 収穫祭は開園前から大行列

 

 10月24日は都市農の秋の収穫祭でした。ここで行なわれるイベントの中でも最も賑わうものだと思います。この日はさまざまな催しものが行われます。野菜の収穫体験、頒布、園芸講座、ハーブティーの試飲会、自然環境館によるドングリクラフト、古民家の前でのお茶会、菊花展、陶芸体験コーナー、和太鼓演奏会などなど。そして私は野菜の収穫体験のお手伝いをしました。

 

 収穫体験で収穫する野菜は、さつま芋、里芋、ネギ、ニンジンの4種類。4種類それぞれに5人~6人の係員をつけます。私は里芋を担当する事になりました。掘り取りの開始時間は午前の部が10時から、午後が13時半からです。公園の開園時間は朝の9時ですが、私が都市農に着いた8時には、もうすでに開園待ちの行列。駐車場が開くのを待つ車の列も一般道路まで続いていました。お客さんのやる気に、こっちがドキドキしてきました。

 

 お客さんが来る前に用意しておくものはスコップ、里芋を入れて帰るビニール袋、掘ってみてあまりに少ない株に付け足す予備の里芋。他の野菜の掘り取り準備も進んでいます。これで準備万端。あとはお客さんを待つばかり。

 

 9時の開園と同時にお客さんが堰を切ったように入ってきます。お客さんは畑に向かってきます。掘り取り体験が目当てのようです。お目当ての野菜の前に、列を作っていきます。やはり掘り取りと言ったらさつま芋、というイメージが強いのか、さつま芋が一番に定員オーバーになりました。

 

 次に里芋も定員オーバー。ネギ、ニンジンも最後には定員オーバー。さつま芋120人、里芋60人、ニンジン120人、ネギ60人が午前のお客さんの数。午後も同数のお客さんが参加したので、この日参加したお客さんの数は総勢720人。そして家族連れの方がほとんどだったので、この数の2~3倍の人が掘り取り体験に参加した事になります。

 

 当朝、参加者の長い行列ができてしまい、受付場所を急遽変えて対応せざるを得なくなりました。

 

 開園前から何時間も待っているお客さんの刺さるような期待に押されながら、私にとっても、掘り取りが始まるまでの時間は長いものでした...。

 

 これが掘り取りの醍醐味

 

 そしてようやく10時になりました。今までのイライラと、不安はどこかへ飛んで行ってくれました。里芋は掘り起こすと「メリメリ、ボコ!」と大きな株が出てきます。「ウワー、大きい!」「これは得した」と、お客さんに満足してもらえたからでした。ある女の子が掘り上げた里芋は大きすぎて袋に入らないものがあったので、芋をかき取って分けて入れようとしたら、そのままの形で持って帰りたいというのです。袋からはみ出していましたが、そのまま持って帰りました。

 

 これが掘り取りの醍醐味だなぁと思いました。スーパーの野菜は、畑でこうやってなっていたのだよって、伝わった気がしました。こうして午前の部はあっという間に終了。そんなそばから、午後は何時からかと尋ねてくるお客さんがたくさんいました。午後は13時半からスタートです。私たちは12時から交代で昼食を取りに行きましたが、その時はもうすでにお客さんは午後の部の為に並び始めていました。13時に畑へ行ってみると、もうすでに長蛇の列。午後は午前に比べて、早い段階で定員オーバーになっていました。並んでいるあるお客さんのは私たちが畑の虫取りをしている所を見て下さっていた方がいました。その時一生懸命やっているなぁと思い、今年の収穫祭に参加しようと思って下さった方がいました。それで里芋の列に2時間以上も待っていたのです。私たちにとって、これほど嬉しい事はありません。丹精こめて作ったかいがありました。本当に有難かったです。

 

 歓声と拍手!幸せそうな顔・顔・・・

 

 今年の猛暑の影響で、さつま芋がきちんとなっているか心配していましたが、立派なさつま芋がなっていて一安心でした。自分に割り振られたさつま芋が少し小さいと、隣の芋が気になる人がいたり、またあるお母さんは子供に掘らせようと、大きな芋のまわりを掘ってあげてから、最後の引き抜くところを子供にやらせてあげたりしていました。

 

 ニンジンも、思いのほか大きくなっていてくれました。「んん~、ずぼ!んん~、ずぼ!」と、3歳くらいの小さい男の子は、ニンジンを一人で引き抜いていました。引き抜く度に、後ろによろけて転びそうになります。そんな時お母さんは子どもの後ろにただ立っていてあげるだけでした。親の見守る優しさを感じる光景でした。

 

 大きな里芋を掘り起こそうと力を合わせる4人の子供たち。なかなか出てきません。あっちから掘り、こっちから掘り、ようやく大きな塊の里芋が引っくり返って出て来ました。「パチ、パチ、パチ…」思わずまわりから拍手。よくがんばったね。みなさんいい体験と、想い出が出来たのではないでしょうか。私もとても楽しかったです。

 

 有機農業に出合える貴重な公園

 

 掘り取り体験といったらさつま芋、というイメージがありましたが、これだけ色んな種類の野菜を収穫体験できた公園は貴重だと思います。野菜は工業製品ではなく、こうして生きているのだと、目の当たりにして、手に触れて感じることが何より大切な事だと思います。

 

 農薬を使わなくても、形が少し悪くても、美味しい野菜は出来るのだと、これからも伝えていきたいです。

 

 

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時~午後5時
【休園日】 12月28日~翌年1月4日まで。公園管理のため前記以外に閉園することがあります。
【TEL】 03‐3853‐4114

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足立区都市農業公園だより(5)

―有機農業サポート室活動レポート―

失敗を恐れずに果敢に挑戦!  有機・無農薬への「転換元年」

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

 早いもので年の瀬です(これを書いているのは12月です)。都市農業公園(以下、都市農)の畑も春からスタートして、夏を過ぎ冬になりました。都市農の畑を有機無農薬に転換して、初めての年がどんなものだったのか、振り返って見たいと思います。

8月の田んぼ。穂が出始める


 何はともあれ堆肥作りから

 

 2004年の4月から作業を開始したわけですが、まず取り掛かったのは堆肥作りでした。都市農には2年間ためていた落ち葉があったので、それに米ヌカを1トンくらい混ぜ合わせて堆肥を作ることにしました。米ヌカは魚住道郎さんがトラックで茨城の八郷から持って来たものです。切り返すにしても量が半端ではないので、トラクター(都市農所有のもの)にバケット(トラクターの前に取り付けるショベル)を新たに購入し取り付けました。このバケットがなければ充分な堆肥は作れなかったと思います。

 

 私は当初スコップを使ってみなで手作業でやる気でいましたが、今考えると、とんでもないです。きっと今頃腰痛に悩まされていたことでしょう。

 

 4月・5月 ささげやインゲンにアブラムシ大発生

 

 4月、5月は夏野菜の植付けで忙しかったです。休憩もきちんと取れなかったように記憶しています。まず畑に堆肥をまくわけですが、ここの土の状態がどうなっているか、まだ分からないわ付ですから、手探り状態でした。魚住さんは「失敗老恐れず、とにかくやってみよう」と私たちを奮い立たせてくれました。

 

 畑の印象として少し肥えているように感じました。豆科のインゲンや三尺ささげには、びっしりアブラ人シが発生していたり、野菜の生育が早かったりした印象があります。

 

 6月・7月 散水ホースさまさま

 

 

 6月、7月、8月となると猛暑との戦いでした。ここで大助かりだったのが散水ホースでした。このお陰で里芋、ナスをはじめとした野菜たちはどうにかよく育つてくれました。ニンジンの発芽にも大変良かったと思います。

 

 今年の夏は暑すぎたため、さまざまな影響も出ました。トマトは尻腐れ(果実の下部から黒く腐ってぐる)が出て、雨よけハウスを使っていましたが、暑さと乾燥のため、最後にはビニールを外しました。果菜類やショウガ、里芋には草マルチで乾燥対策をしました。スイカは甘いものが取れ、ニガウリは取り切れないほどなりました。

 

 落花生と、大豆は畑が肥えていたためか、少し収量が少なかったです。キュウリは良く取れていましたが、後半に水やりが足りなかったためか、予想より早くに終わってしまいました。

 

夏野菜の茂るハウス


ネギの土寄せ

8月、キャベツの定植

 9月・10月 畦を立てない播種にビックリ

 

 9月、10月は夏野菜の片付けと、秋冬野菜の種蒔きシーズン。忘れられないのが、芯食い虫との地道な戦いでした。芯食い虫は、キャベツなどのアプテナ科の野菜に大発生し、それをつまよう枝で取り続けました。かなりきつかったですね。

 

 冬野菜で蒔いたものは、コマツナ、大根、春菊、玉葱、コカブ、チンゲン菜、山東菜、タアサイ、京菜、エンドウ豆、ニンニク…。

 

10月の収穫祭ではニンジン、さつまま芋、里芋、ネギの掘り取り体験をしました。これには大勢のお客さんに来ていただきました。収穫祭の後には畑が空いたので、そこは一面、葉物で覆い尽くしました。

 

 播種の仕方は、堆肥をトラクターでうない込んだ後を平らにならし、そこを播種機で(条間20cm)で蒔いていきます。私は畦を立てないこのやり方にビックリしましたが、綺麗に生えています。

 


 11月・12月 「失敗」は来年への大切な情報

 

 現在の冬野菜の様子を見ると、少し肥料不足のように思います。原因としては、堆肥を作る段階で、米ヌカを混ぜる量が少なかったことが考えられます。夏の間を通して、私が米ヌカを混ぜ、堆肥の切り返しを行ってきたため、魚住さんの想像しているものと少しズレがあったようです。

 

 来年は、今年使った米ヌカの量を参考にすれば、計画も立てやすくなります。このことは私にとっても勉強になりましたが、今後、有機農業研究会がこのような委託事業を受ける際にも、大事な情報になると思います。

 

 いやー、2004年もいろいろありましたが、野菜の出来は初年ということを考えると、よかったと思います。失敗もありましたが、今年の失敗がなければ、来年もありません。やらないと失敗しないし、失敗しないと成功もないので、2005年はもっと成功して、また新たな失敗もしていこうと思います。

 

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時~午後5時
【休園日】 12月28日~翌年1月4日まで。公園管理のため前記以外に閉園することがあります。
【TEL】 03‐3853‐4114

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足立区都市農業公園だより(6)

―有機農業サポート室活動レポート―

『失春の定植ラッシュに向けて準備万端ととのえる冬』

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

 今年の冬は寒い。東京は霜が降りないと思っている方もいるようですが、そんなことはありませんでした。雪も例年に比べて多く降っています。雪国の寒さに比べたら大したことはないかもしれませんが、それでも寒いものは寒いです。都市農業公園(以下略して都市農)にも10cm弱の霜柱がたっています。そんな中、野菜たちもがんばっています。そして私たちは、春の準備を少しずつ始めていました。

ボカシの積み込み


トラクターのローターでボカシの切り返し

 

 

 いい堆肥は「さくっ」「もあぁ~」「あんま~い」


 キャベツ、白菜、大根は肥料が足りないという顔をしていました。素直に大きくなっていかないで、葉が小さく、いじけた感じです。これは堆肥を積む段階で、米ヌカを混ぜ合わせる量が少なかったことが原因と考えられました。魚住さんが想像していた量と、私が実際に入れていた量に差があったためです。

 

 

 早速、堆肥に混ぜる米ぬかの量を増やすと、堆肥を切り返す時にする香りが、今までのものに比べて甘い香りに変わりました。今までは発酵と言うより、腐敗に近い匂いだったと気付かされました。そして堆肥を切り返すのが一つの楽しみになっています。「さくっ」と堆肥にバケット(トラクターの全部に取り付けた土などを運ぶショベル)を差し入れ持ち上げて行くと、堆肥の間からまわりが見えなくなるほどの水蒸気が「もわぁ~」と立ち込めて、米ヌカの発酵していく「あんま~い」香りがしてきます。なんとなく、これはいい堆肥になるなと感じます。

 

 米ヌカ以外に入れるものは、赤土と発酵の進んだ堆肥です。赤土はアンモニアの流出を抑えて窒素分を保持するために入れ、発酵が進んだ堆肥は発酵菌の増幅に役立ちます。こうして堆肥作りに修正を加えて行きました。

 

 ぼかしはスズメのご馳走

 

 またこれとは別に、ぼかし肥も作っておくことにしました。肥料成分も濃く、つい肥にも利用出来るものです。

 

 ぼかしを作るのに今回使用したものは、魚粉、米ヌカ、赤土、水です。魚粉と、米ヌカは1対2くらいの割合で混ぜ合わせました。赤土に水分が含まれていたので、水は少なめでした。手で握って少し固まり、すぐほぐれ落ちるくらいの水分量です。これはこまめに切り返しをしないと腐敗していくため、都市農へ行くたびに切り返しをしています。

 

 このぼかしは、鳥たちに大人気のようです。堆肥場で切り返しをした後はいつもきれいに掃いておくのに、次に来て見ると決まって散らかっています。初めは風かと思いましたが、犯人はスズメでした。魚粉は飼料用のものを使っているため、スズメにとってもご馳走だったわけです。しかしこのぼかしはかなりきつい匂いを放っている為、切り返しをしている際に通るお客さんは殆どが鼻を押さえています。もう少し赤土を混ぜてアンモニアの発散を押さえることにしました。

 

 粉砕機「フレルモア」登場

 

 フレルモア(以下略してモア)が都市農にやって来ました。このモアは草などを細かく粉砕してくれる機械で、草だらけになった畑や、サツマ芋のツルを粉砕するのに使えます。トラクターについているロータリー(耕転するための機械)を外し、モアを取り付けて使います。この取り付けが大変なのです。穴が合わないとか、この金具は右につけるの?それとも左?どっちが前?と言った感じです。

 

 もちろん初めに取り付け講習会はやりました。その時はよーく理解していました。物忘れのせいもあるでしょうが、実際に自分でやると、そう簡単にはいかないものです。でも習うより慣れろです。回数をこなせばコツも分かってくるでしょう。今では初めの頃に比べると、少しは出来るようになってきました。

 

 春の作付け用に堆肥の量が足りなかったので、このモアを使って葦を粉砕し、堆肥を作ることにしました。都市農は荒川のスーパー堤防を利用して出来た公園なので、葦は川沿いにたくさん生えています。それを鎌で刈り、軽トラで堆肥置き場まで運び、モアで粉砕します。モアは私も初めて使う機械でしたが、よく細かくなるものだと感心させられました。

 

 機械操作は支度と注意を万全に

 

 モアの重量が重いためか、ロータリーのように高く上がらないので、運ばれてきた葦を薄く広げて、モアを後進、前進とかけて行きます。何度か繰り返し行うと細かく粉砕されて行きます。粉砕される様子を見ながら後ろを見ていると、粉砕されたかけらが目の前をかすめて行く事がありました。眼鏡をかけているとはいえ、危なかったです。

 

 モアに限らず、機械を操作する時は気を付けなくてはいけません。慣れてきたころが危ないと、魚住さんにもよく言われています。モアをかけているとホコリや、チリがかなり舞います。初めてモアを使った日はマスクや頭に巻く手ぬぐいを用意していなかったので、ホコリまみれになりました。昔のひ弱な頃の私なら、間違いなく風邪をひいていたと、勝手な想像をしてしまいました。都市農の方にマスクを貸して頂き、それ以降は快調に粉砕して行きました。

有機農業サポート室メンバー

前列左から魚住さん

林さん、梅原さん

後列左から宇治田さん

明石さん


 運び込まれる葦は一見かなりの量に見えますが、粉砕すると少しになってしまいます。鎌で刈っていたので、そんなに量は集まらないのではと思っていましたが、人の力は、集まるとすごいものです。粉砕した葦を寄せ集めてみるとかなりの量になっていました。葦は乾燥しているので水をかけ、これに米ヌカを混ぜておきました。3月にはじゃが芋を植え、その後に果菜類の定植ラッシュがやって来ます。それまでに堆肥を準備しておく必要がありましたが、どうやらこれで間に合いそうです。ひとまず安心です。

 

 

 農閑期のこの時期に堆肥となる材料を少しずつ集め、夏野菜の準備をすることは冬の大切な仕事ですね。私はこれから、落ち葉掃きを冬の趣味の一つにしてやろうと個人的に思いました。面倒臭がらずに、大切な土作りの元になるものですから、大事な仕事の一つとして、楽しみながらやりたいと思います。

 

 また、4月から始まる05年度は、有機農業研究会が新たな展開を見せようとしています。畑、田んぼ担当の魚住さん(茨城)に宇治田さん(茨城)が加わり、林さん(千葉)による野菜づくり教室や、前嶋和芳さん(山梨)による果樹の管理が行われ、指導作業員にも新しいメンバーが加わります。乞うご期待!

 

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時~午後5時
【休園日】 12月28日~翌年1月4日まで。公園管理のため前記以外に閉園することがあります。
【TEL】 03‐3853‐4114

ご案内:いたばしボランティア・市民活動フォーラム

 

 「板橋がもし100人の村だったら」から考える

  都市農業がもたらす豊かさ

 

[第1部]

 

講演 大江正章氏(コモンズ編集長)

   持続可能な都市農業であるための課題

   都市農業がもたらす豊かさを考える

 

報告 明石誠一(本会有機農業サポート室指導作業員)ほか   

   板橋在住の農業従事者が語る、今と未来

 

[第2部]

 

分科会 「農作物をつくる」(持続可能な農業、地産地消)ほか

 

日時 3月21日(月・祝日)13時~16時30分

会場 いたばしボランティア・NPOホール

定員 50名(参加費無料)

主催 板橋区立大原社会教育会館

   NPOボランティア・市民活動学習推進センターいたばし   

   e-mail:gakusyu-itabashi@nifty.com   

   企画 農的シティライフの会   

   問合わせ 大原社会教育会館(担当・野沢)   

   TEL 03―3969―0401 FAX 03―3969―0403