催し報告(2019)


催し報告 191220

2019-12   報告 緊急署名「有機JASとゲノム編集」

署名ご協力のお礼とご報告、要望書

 

緊急署名「有機JASとゲノム編集」へのご協力、ありがとうございました。

“すべてのゲノム編集など遺伝子操作技術を認めない”方向性が確定しました。

 

短期間にもかかわらず、97団体、個人2129名のご賛同をいただきました。呼びかけ内容を要望書としてとりまとめ、12月5日の第2回目「有機JASの見直し検討会」(FAMIC )で提示し、12月20日に農林水産省(基準認証室長)に提出しました。

 

 

報告書

 有機JASとゲノム編集議技術に関する意見交換会 報告

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有機JASとゲノム編集議技術に関する意見交換会 報告(PDF)
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 要望書

 遺伝子操作技術・生物を認めないことの堅持に関する申し入れ

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遺伝子操作技術・生物を認めないことの堅持に関する申し入れ(PDF)
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催し報告 190915

2019-09-15 東京:青年部&種苗部 夏の見学会 千葉県

 今回の見学会は、青年部と種苗部の共催です。

 まず、千葉県の北部の印西市でさおとめファーム(新規就農6年)を営む五月女知弘さん、めぐみさんの畑にお伺いします。金子美登さん、林重孝さんのところで研修を受けた知弘さんと、管理栄養士で乳酸菌など発酵に詳しいめぐみさんの農園です。

 次に、林農園。有機農業は、在来種や固定種の自家採種が大切です。そこで種苗部長の林重孝さんから、種の取り方などのお話のあと、有機農業40年の畑の見学です。「自家採種を続けよう」(林重孝)の資料も配付します。終了後、現地解散です。

 これから有意農業を始めたい方、すでに取り組んでおられる方、消費者の方、どなたでも参加できます。お申し込みお待ちしています。

 

 見学先 [午前]五月女知弘さん さおとめファーム/千葉県印西市松崎

       [午後]林 重孝さん 林農園/千葉県佐倉市坂戸

 

■日 時:集合 2019年9月15日(土)

       <電車の方> 9:45 北総鉄道「印西牧の原駅」改札前

       <車の方> 10:00 「しおん幼稚園」前 印西市松崎517

■スケジュール:

       見学      10:15~11:30 さおとめファーム

       移動      11:30~12:30 車で分乗し林農園に移動

       昼食      12:30~13:30 林農園

       お話しと見学 13:30~16:30 林農園

       解散      16:30頃

■持ち物: お弁当、飲み物 ※昼食の用意はございません。雨天決行

■参加費: 2000円(資料代含む)参加申込み後、参加費を下記にお振込みください。

 参加費支払い先:郵便振替口座番号 00180-0-165363

             口座名 NPO法人日本有機農業研究会

 

        

■申込締切:9月9日(月) 定員になり次第締め切ります。

 

■定員:25名

 

■申込先:日本有機農業研究会事務局 

        E-mail seinenbu@joaa.net

        TEL 03-6265-0148/FAX03-6265-0149

 

■当日連絡先:佐久間090-9817-0746/林080-5449-0389

※申し込みの際、自家用車での参加か、電車での参加かをお申し込みください。今回、車で40~60分くらい移動します。


催し報告 190914

2019-09-14 東京:日本有機農業研究会「小農・家族農業」研究会

家族農業・有機農業・小農制

 

 今、日本では安倍政権の下で、新自由主義的な農政の嵐が吹き荒れています。そこでのスローガンは「強い農業へ」であり、家族農業は撲滅の対象とされているようです。しかし、世界の動向はそれとはかなり違っています。国連の「家族農業の10年」や「小農の権利宣言」などはアグリビジネス支配へのきわめて戦闘的な反論というだけでなく、地球環境時代における新しい農業のあり方、そして世界のあり方についても示唆しています。

 今回のお話しでは、家族農業・有機農業・小農制にかかわる最近の諸議論について、時代論の視点から私なりの論点整理をお示しできればと思います。(中島紀一)

■日 時:2019年9月14日(土)14:00~17:00

■場 所:國學院大學5号館2階5201教室(予定)

   東京都渋谷区東4-10-28

   JR渋谷駅から徒歩15分/

       都バス東口54番のりば「学03 日赤医療センター行」で「国学院大学前」下車1分

■講師:中島紀一先生(茨城大学名誉教授/農業技術論・総合農学)

 

■参加費:500円(学生無料)

■主催:日本有機農業研究会/渋谷環境と文化の会

■申込み・問合せ:日本有機農業研究会 TEL 03-6265-0148 FAX 03-6265-0149

      メール info@joaa.net


催し報告 190907

2019-09-07 東京:夏のシンポ2019 警告あり!農薬の人体への影響

 手軽だからと、除草剤を使っていませんか? アメリカでは、グリホサート配合の除草剤を使ってい てガンになったと農薬会社を訴えた訴訟で、発ガンのリスクへの警告が不十分だったと、懲罰的高額 の評決が相次いで出されています。日本では、体内残留農薬検査プロジェクト「デトックス・プロジ ェクト・ジャパン」の毛髪検査に参加した国会議員ら 28 人中 21 人からグリホサートを含む農薬 14 成分が検出されました。ミツバチ減少は人類への警告。急増する発達障害もネオニコチノイド系、有 機リン系、グリホサートなどの農薬や身近な化学物質の影響を示す科学的証拠が出されています。農 薬の健康影響への警告が発せられています。みんなで考えましょう。

 

   

■日 時:2019年9月7日(土)10:30~16:30

■会 場:国立オリンピック青少年総合センター センター棟501研修室

      東京都渋谷区代々木神園町3-1

      小田急線「参宮橋駅」下車 徒歩約7分

■参加費:1000円

■第一部:相次ぐ警告 10:30~12:30

 グリホサートなど農薬をめぐる現況

農薬グリホサート(ラウンドアップなど)は発がん性をはじめとする有害性が明らかになり、使用禁 止にする国々が世界的に広がっています。米国では使用でガンを発症した人たちがバイエル・モンサ ント社を提訴し、次々と巨額の損害賠償判決が下されています。一方、これに逆行し残留基準を大幅 に緩めた日本。その背景を探り対抗措置を考えます。

     食政策センター「ビジョン21」代表/本会理事 安田節子さん

 

 国会議員の「デトックス・プロジェクト」に参加して

ミツバチが減少しています。農薬によって動植物の生態系に悪影響をもたらしているという啓発はずい ぶん前からありましたが、日本ではまだまだ農薬の規制の動きや、有機野菜という選択肢そのものが諸 外国と比較すると小さいのが実情です。家族の健康に留意し気を使うことから、そして、日本の未来を 考えた時見えてくる、持続可能な農業に必要な事についてお話しします。

     衆議院議員 堀越啓仁さん

■第二部:会員からの報告 13:00~13:30

 自作の曲「奇跡の国ルワンダ」弾き語り、ほか

     群馬/滝の里農場/本会副理事長 大塚一吉さん

■第三部:農薬と人々の健康 13:30~15:00

 発達障害急増の原因としての農薬など有害な化学物質

日本で自閉症など発達障害が急増しています。従来、発達障害の原因は遺伝要因が大きいとされてき ましたが、膨大な研究から環境要因が大きいことがわかってきました。環境要因は多様ですが、なか でも農薬など有害な化学物質の影響が疑われています。農薬は、“ 薬 ” ではなく殺生物剤で、基本的に 毒物です。OECD加盟国中、日本は農地単位面積当たりの農薬使用量 1、2 位の農薬使用大国。国内 の子どもの尿中には、高率に複数の農薬が検出されています。有機リン系、ネオニコチノイド系、ピ レスロイド系、除草剤グリホサートなど発達神経毒性のある農薬が、子どもの脳に悪影響を及ぼす科 学的証拠が蓄積しています。講演では最近の科学的知見の概要を紹介します。

     環境脳神経科学情報センター 医学博士 木村-黒田純子さん

■第四部:有機農業は農薬の必要なし 15:15~16:15

 有機農業の技(わざ)を高める道具たち     茨城/魚住農園/本会理事長 魚住道郎さん

 有機農業、私の工夫、ほか

 

■おわりに:水俣大会(2020年1月)へ向けて 16:15~16:30  間司さん(熊本/百草園)

 第48回日本有機農業研究会全国大会総会

 日時 2020年1月25日(土)~26日(日)、27日(月)現地見学会 開催地 熊本県水俣市

 会場 [講演会など]水俣市文化会館(収容1000人)

    [分科会など]水俣市総合もやい直しセンター「もやい館」

 

■主 催:日本有機農業研究会

 

■申込み・問合せ:日本有機農業研究会 TEL 03-6265-0148 FAX 03-6265-0149

      メール info@joaa.net

脱農薬・反ゲノム操作食品アピール

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催し報告 190629

2019-06-29 東京:家族農業重視の日本の農政の課題

「国際家族農業の10年」が始まりました。また、昨年12月には「小農の権利宣言」が国連総会で採択されています(日本は棄権)。世界を見渡すと8億人もの人々が飢餓・栄養不足状態にあり、農村地域の貧困がめだちます。「国際家族農業の10年」や「小農の権利宣言」は特にそうした世界大の課題を強く意識したものですが、日本のような先進工業国でも現れ方は異なるものの共通する問題が起きています。家族農業こそ自然と地域社会に根ざす基本的で重要なものですが、日本の農政ではこれまでどのように取り扱われてきたのでしょうか。現在の農政の問題を明らかにし、家族農業を重視する農政へ向けた課題を探ります。

■日 時:2019年6月29日(土)13:30~16:30

■場 所:國學院大學5号館2階5202教室

   東京都渋谷区東4-10-28

   JR渋谷駅から徒歩15分/

       都バス東口54番のりば「学03 日赤医療センター行」で「国学院大学前」下車1分

■講師:北出俊昭先生(元明治大学農学部教授/農業経済学)

 

■参加費:500円(学生無料)

■申込み・問合せ:日本有機農業研究会 TEL 03-6265-0148 FAX 03-6265-0149

      メール info@joaa.net

 

 日本有機農業研究会(2019年12月20日)


催し報告 190526

2019-5-26, 27 福島県二本松市:第14回福島県二本松“猫の手”縁農

参加しませんか 第14回福島県二本松“猫の手”緑農

 

■日 時:2019年5月26日(日)10時~27日(月)14時

     ※「二本松駅」現地集合・現地解散

■参加費:12000円(1泊2日) ※現地で集めます

     移動費、宿泊・夕食・朝食・27日(月)の昼食費、現地でのガソリン代、農機具等の搬送代を含む。

■実施会場:福島県二本松市/二本松有機農業研究会

     大内信一さん(代表)ほか3~4名の有機農家の農場

■集合場所:5月26日(日)午前10時 東北本線「二本松駅」前

      ※東京から、東北新幹線で「郡山駅」にて、東北本線に乗り換えて「二本松駅」にて下車。

       車の方も、二本松駅前に集合。

■宿泊・交流会:福島県岳温泉 陽日の郷(ユイノサト)「あづま館」

       〒964-0074 福島県二本松市岳温泉1-5

       TEL 0243-24-2211  FAX 0243-24-2671

■持ち物など:水筒、作業着、くつ、軍手(手袋)、タオル、帽子、マスク、ねまき

   ※26日(日)の昼食は二本松で用意します。

 ■活動内容:農作業(田植え、野菜の苗の種付けなど)、学習会・交流

■タイムテーブル:

  2日(日)10:00~12:00 移動、活動説明、作業

       12:00~13:00 昼食

       13:00~15:00 作業、旅館へ移動

       16:00~18:30 学習会

       19:00~      夕食・交流会

  3日(月) 9:00~12:00 移動、作業

       12:00~      昼食、移動

       14:00       解散(二本松駅)

■定 員:30名程度

■参加申込:日本有機農業研究会事務局に電話、FAX、メールにより、お名前、性別、住所、電話番号、交通手段(電車か自動車) を明記の上、5月14日(火)までにお申し込み下さい。

■お申し込み:日本有機農業研究会事務局 

        E-mail info@joaa.net

        TEL 03-6265-0148/FAX 03-6265-0149

 

※継続的活動資金カンパのお願い

 この活動のためには、大型トラクターなどの農機具やガソリン代、その他の経費がかかります。皆様からの「カンパ」をお願いします。

 

 振込先:郵便振替 口座00110-3-322842 福島・東北有機農業支援委員会


催し報告 190223

2019-02-23,24 滋賀:第47回日本有機農業研究会全国大会総会を開催

■全国有機農業全国の集い2019 in 琵琶湖

 ことし2019年の日本有機農業研究会全国大会総会は、琵琶湖湖畔で、「全国有機農業の集い 2019 in 琵琶湖」として、2月23ー24日に約300名が全国から集まり、開催されました。 琵琶湖は関西の人々の水瓶。もしも福井で原発事故が起きれば、大きな被害を受けます。

 「いのちを大切にする社会をつくる―原発訴訟と裁判官の責任」と題して、2014年に大飯原発3・4号基の運転差し止めの判決を出した元福井地裁裁判長・樋口英明さんが特別講演を行いました。 福井地裁の差し止め判決は、2018年、名古屋高裁でくつがえされました。 樋口さんは、訴訟を通して得た原発の危険性を論点をあげて話し、いかに問題あるものか、そして運転を差し止めよとする判決がいかに「当たり前」のものであるかをわかりやすく説きました。 講演は、裁判を通して原発の危険性を知った以上、そのことをみなさんに伝えなければならないと始まりましたが、講演の最後は、知った以上、みなさんもこのことを伝えてくださいと訴え、大きな感銘を与えました。

 大会テーマの「つくる人・食べる人のつながりが大事 なんやねん、PGSって?」については、基調提言1として「有機農業の原点とPGSの考え方」槌田劭さん、2として「PGSの世界の流れ」橋本慎司さんが講演しました。 有機農業は、日本有機農業研究会(日有研)の結成趣意書(1971)に述べられている多方面にわたる問題意識が原点であること、単に化学合成肥料・農薬を使わないことにとどまらず、結成直後の1970年代から今日にまで続く各地で取り組まれてきた生産者・消費者の「提携」で培われた「信頼」を土台にした「つながり」こそ、再度評価し広げるべきものと、訴えました。

 PGS(Participatory Guarantee Systems)、すなわち参加型保証システムは、国際有機農業運動連盟(IFOAM)が取り組んでいる第三者認証ではない「信頼」と有機農業の理念から生み出された「有機」の保証システムですが、日有研では、それをヒントにしつつ、「日有研・提携推奨PGSプログラム」として新たな展開を試行していきたいとしています。

 5つの分科会、2日目にはマルシェが開かれました。 分科会の一つ「琵琶湖からの発信―山から海まで、そして暮らし」では、湖(うみ)と呼ばれる琵琶湖で漁師を営む中村さんから、自然と暮らしの移り変わりのようす、美しい琵琶湖を守り続けたいという願いが伝わり、共感を呼びました。

 

■大会アピール PGSで提携の次代を拓く

 私たちの日本有機農業研究会は1971年の発足から48年、2年後の2021年には50周年を迎えます。 50年前の日本は、モノとお金が早く大きく回転し、モノ豊かな社会の実現に浮かれていました。

 この時流は商工業の生産性が著しく向上することで進展したのですが、「いのちの産業」である農業にとっては受難でした。 なぜなら、自然は経済効率優先の生産性とは相容れないからです。 農村から都市へ労働力が流れ、一方、農村では省力化が叫ばれ、機械化が進み、農業は農薬や化学肥料など工業資材依存へと変質を強いられていきました。 1961年成立の農業基本法により日本は、生産性を第一義とする工業的な農業を農政の基本に据えました。 この流れが農地を荒廃させ、労働災害の多発を引き起こしたのです。 生産物の質の劣化は、国民の健康を害し、ガン死時代の到来を告げました。

 このような時代に、危機感をもった先進的農民と有識者が協力して結成されたのが日本有機農業研究会です。 その結成趣意書は、「(農業の)近代化は…経済合理主義の見地から促進され…この見地からは…希望や期待を持つことはできない」と喝破しています。 そして「農業者が自らの農法を改善し…、消費者にその覚醒を呼びかけること」の必要を掲げました。 この呼びかけに、食の安全を願う消費者が応え、生産者と消費者の提携が全国的に展開することになりました。 その成果は有機農業の社会的認知を促し、「有機農業」は広く知られるようになったのです。

 日本の有機農業、その「提携」の運動は国際的にも評価を受け、「TEIKEI」として認知されています。 海外でもCSA(Community Supported Agriculture 地域支援型農業)として拡がっています。

 食卓の安全の実現に消費者の喜びと感謝のあることは、その生産者の喜びであり、励みともなるものです。 私たちは「提携」による成果に自信を持つ一方で、新規就農者とその生産物を受け入れられる流れを生み出し、激励することに力を寄せる必要があります。 そのためには、有機農産物の消費をどう拡大するのかが課題となります。

 私たちが試行しようとするPGS(Participatory Guarantee Systems)の日本版は、有機農業に期待し参加する動き(P=参加)を強めるために、 互いに理解し合い協力し合う関係によって信頼を保証し合う(G=保証)システムを広げる(S=しくみ)ものです。 この考えは「提携」の基本を発展させるものなのです。つくる人・食べる人のつながりによって有機農業を広げることであり、金銭利害で動く社会を転換することです。 2年後の50周年を活気の中で迎えるために、共に心と力を合わせ、有機農業を広げましょう。

                   2019年2月23日 有機農業全国の集い2019 in 琵琶湖 参加者一同

 

■第47回 日本有機農業研究会通常総会 総会メッセージ

 日本有機農業研究会(日有研)は、2年後の2021年10月に創立50周年の節目を迎えます。

 「環境破壊を伴わずに地力を維持培養しつつ、健康的で質の良い食物を生産する農業を探求し、その確立・普及を図る」ことなどを目的として、 将来に希望のもてる永続的な「あるべき農業」をめざして結成されました。農と食のつながりを大事にし、生産者・消費者が共に支え合い、 協力して食べものをつくり・はこび・たべる「提携」(生産者と消費者の提携、「産消提携」とも呼ぶ)を基軸に、 協同組合・医療・教育・消費者・環境など様々な分野の人々の参加を得て活動を続け、今日に至っています。

 1971年は、レイチェル・カーソンが『沈黙の春』で警告したDDTが禁止された年ですが、その後も農薬は使われ続け、 1990年代にはシーア・コルボーンらの『奪われし未来』でごく微量でも農薬などが“環境ホルモン”(内分泌攪乱物質)として自然界の生物(ヒト含む)に害を及ぼすことも指摘されました。 神経毒性をもつ有機リン系、ネオニコチノイド系農薬が現在も大量に使われています。 がんは二人に一人がかかり、そしてすでに農薬との関連が指摘されているように、発達障害の子どもが増え、精子の異常(奇形・数の減少)や不妊も増えています。 問題はいっそう深刻度を増し、危機的状況にあります。

 次世代に健全な未来を残すために、農薬を含む化学合成物質の使用規制の強化と同時に、有機農業のいっそうの普及拡大が喫緊の課題となっています。 1971年にDDTが禁止されたのと同様、特にネオニコチノイド系農薬の禁止を打ち出すべき時です。 そしてまた、現在の有機農業の全耕地に占める割合は、まだ1%にも達していません。 この危機の現況をみれば、1%程度ではとうていおぼつかないのは明らかです。 危機意識を広く国民で共有し、有機農業推進法による施策をはじめ、食育、地産地消、有機農業・環境教育などによる総合的な施策が求められます。

 私たちは、現在の農政に対して、企業参入を加速し、規模拡大で「強い農業」を目指し、海外に農産品目輸出を目論むことではなく、 国民の、とりわけ子どもの健康と未来を守る農業を最優先すべきことを訴えます。そしてまた、AI(人口知能)や外国人労働に依存する農業ではなく、 後継者が喜んで農業を受け継げる魅力ある心豊かな有機農業を確立し、目指していかねばならないと考えます。

 腐植がつなぐ森・里・海の繋がりの中で、私たちのいのちは先祖から受け継がれてきました。 しかし、戦後の急速な工業化、近代化のなかで、そのいのちの基盤は痛めつけられてきました。 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくの4大公害病をはじめ、福島第1原発事故はその最たるものです。 加えて、地球の温暖化による異常気象に見舞われています。

 今年(2019年)、滋賀県大津市での「全国有機農業の集い」では、大飯原発の再稼働を認めない判決を下した樋口英明元裁判長の特別講演を行い、 「いのちの原理」に立つ有機農業であることを再確認しました。2020年には、まだ希望している段階ではありますが、 熊本県水俣市で、水俣病事件を学ぶ全国大会を、そして2021年には福島県二本松市で福島原発事故10年を振り返り、これからへ向けた全国大会を開き、 2021年の創立50周年記念につなげたいと考えています。

 有機農業は、草の根の人々のあいだから始まった農と食をめぐる日常的な活動です。食べものはいのちを育み活力をつくり出す生命の源です。 本来、それぞれの家族が耕し自給するものであり、現代であっても、単なる商品として売り買いするべきものではないはずです。 「提携」は、“自給する農家の食卓の延長上に都市生活者の食卓をつなげる”、継続的な活動です。日有研は、農と食のつながりの架け橋となる「提携」をつくりだす活動にいっそう力を入れていきます。 そしてまた、創立50周年へ向け、記念する行事、出版、映画制作などの企画を進めていきます。

 これからも、高い目標を掲げ、協力して取り組んでいきましょう。

 

 次は、毎回、総会に当たり、確認している活動の基本方針です。

 

1 平和と非暴力を愛する農業・社会をめざそう

有機農業は、すべてのいのちと共に生き、いのちを育み、いのち響き合う豊かな自然をつくる。有機農業はまた、人や社会に対しても永続的・有機的なつながりを積極的に広げ、人々の心が通い合う非暴力で平和な社会を築く営みである。今日、近隣諸国との領土問題や軍備増強、憲法改定問題などで揺れるなか、今こそ、いのち響き合い、「食と農」、「土と自然」、「平和・非暴力」を土台とする社会へ向け、「有機農業」の真価を発揮する時である。

 

2 「3・11」の教訓を風化させず、原発再稼働に反対し、すべての原子炉の廃炉をめざす

「3・11」の原発事故に際して私たちは、「原発は、いのちの原理に反する」「すべての原子炉廃炉に!」と、総会で特別アピールを決議し内外に発した。事故から8年経ち、原発再稼働の動きが出ているが、これに強く抗議し、私たちは再度、「原発といのち・くらしは共存できない」、「原発のない社会」をつくることを訴える。 森・里・海はいのちの基盤であり、これ以上の汚染は許されない。各地の再稼働反対の行動や原発差し止め・廃炉訴訟の裁判等に連帯していく。 福島支援について、引き続き福島東北有機農業支援委員会の福島有機農学校・猫の手の活動を行う。エネルギーについては、周辺の環境に配慮した小規模分散型・再生可能エネルギーの採用などを採り入れていくことも提唱する。

 

3 TPPなど自由貿易協定による、農業・農村の破壊、食の安全・健康・環境・社会的公正の後退・ 破壊を許さない

大企業優先、貿易優先のグローバリズムは、農業、農村崩壊の危機を招き、日本社会の基盤そのものをも突き崩そうとしている。今後、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)が進展し、それにより、食の安全・健康・環境・社会的公正に関わる諸制度が後退するようなことがあれば、これに断固、反対していく。

 

4 種子(たね)を守ろう

種子は、農業、食料の基盤となる重要なものである。グローバリズムにより、種子の企業支配が危ぶまれている。ローカルな都道府県等による公共の種子の基礎研究、育種、供給体制を堅持すべきである。「日本の種子(たね)を守る会」の活動とも連携していく。 農民が種子を採り、次の年に播いて育てること、すなわち自家採種は、“農民の権利”である。この権利が侵されないよう、守らなければならない。地域に世代を超えて伝わる在来品種は、多様で豊かな食文化を創り出してきた。だいじに守り継承されてきたこれらの種子を次世代に引き継いでいきたい。そのためのしくみについても検討を重ね、実践していく。

 

5 結成趣意書の原点、自立・互助の協同の精神に立ち、小規模・家族農業の有機農家と都市生活者等との「提携」をいっそう拡大し、自給・協同・有機農業を広めよう

グローバル化、大企業支配と産地間競争は、有機の世界にも及んでいる。「市場原理」に飲み込まれないための対抗軸として、今こそ地域に根差した自立する小規模・家族農家と都市生活者(消費者)との「提携」を明瞭に打ち出し、広げていこう。農と食のつながりの架け橋となる「提携」をつくりだす活動にいっそう力を入れると共に、各地で「提携フォーラム」を開催し、参加型の日有研・提携推奨PGSプログラムなどを進め、人と人の友好的関係を本質とする「提携」の社会的存在意義を広く知らせていく。 分かち合い・助け合いの「協同組合の思想と実践」はユネスコ無形文化遺産となり(2016)、「国連家族農業の10年」(2019―2029)も始まる。これに賛同し、家族農業の政策的支援推進活動に参加していく。世界大の視野に立ち、食と農と環境を確かなものにしていく活動をすすめよう。

 

6 次世代の子どもたちに「有機」の食べものを提供することが急務

子どもたちにこそ、新鮮で滋養に富む「有機」の食べものを食べさせたい。栄養・食育・保育にとって、有機農業が必要であり有効であることを伝え、保育園・幼稚園・学校に有機食材を使った「有機提携給食」の導入を図り、「提携」活動の新たな段階における広がりをつくりだしていく。 化学合成農薬がヒト・胎児の脳や乳幼児の身体に影響を及ぼし発達障害を引き起こすという、農薬と発達障害の因果関係が明らかになってきた。乳幼児、若者に農薬の残留していない食べものを供給し、農薬のない環境をつくることが急務である。栄養・保育・農業関連の教育機関においても、有機農業の必要性・有効性を学んでもらうことを訴えていく。 そしてまた、格差社会が広がっている今、有機食品は高いというイメージを払拭し、貧困・低所得者層にも手の届く方法を探り、そうした取組みに着手していく。

 

7 有機農家の複合的な農の技術の普及

本会の目的「環境破壊を伴わずに地力を維持培養しつつ、健康的で質の良い食物を生産する農業を探求し、その確立・普及を図る」を再確認し、有機農業技術の普及拡大に努める。有機農家の複合的な農の技術を伝える講習会・研究会を開催すると共に、地域での「有機農業技術ネットワーク」づくりを行う。 経験豊かな本会の有機農業アドバイザー等の有機農場を実地で体験・体感しながら有機農業が学べる「有機農学校」を各地で実施し、農の技術や暮らし方などを伝え広める。有機農業アドバイザーの増員、その他の有機農業関連アドバイザーの新設、研修及び認定についても検討していく。

 

8 関連団体・活動等とのいっそうの連繋

(1)各地の有機農業研究会等との連携強化

各地の有機農業研究会等とのつながりを強め、共通課題を共有し、日有研の活動に活かしていく。環境団体、消費者団体等とも連携して食の安全、環境、社会的公正などの日有研活動を強化し、広義の有機農業運動への参加者を増やしていく。

(2)有機農業関係団体等との連携強化

有機農業推進法(2006)から12年余、有機農業本来の理念・思想を主張しつつ、有機農業関係団体や、日本有機農業学会、有機農業推進協会などとも連携・協力し、提言を行っていく。環境支払いその他の課題についても、連携して有機農業を強めていく。

(3)世界の有機農業、国際的な提携ネットワーク等との連携

国際有機農業運動連盟「IFOAM-Organics International」、同アジア、及びURGENCI: まちとむらの新しい連帯=国際提携CSAネットワークとの連携をはじめ、その他、世界各地の有機農業運動や関係者と交流し、連携していく。

(4)「一楽思想を語る会」への参画

「一楽照雄を語る会」(山形県高畠町)の運営委員会(2016年発足)の委員として日本有機農業研究会が参画し、日本有機農業研究会創立者一楽照雄を顕彰し、その思想を継承普及させる活動に協力していく。「日本有機農業資料センター・たかはた文庫・栗原文庫」にも協力していく。

 

                      2019年2月24日 第47回通常総会で採択(於 滋賀県大津市)