>> 紹介0703

『土と健康』2007年3月号(一部紹介)

作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 これは奄美の浜辺でひろった枝珊瑚のかけらです。

 流木ではないけれど漂流物の仲間です。

 僕とカメラマンの酒井くんはこの撮影の最中に

 「こんなキャラクターが登場する絵本をつくりたいねえ」

 と、話し合いました。

 一昨年『モクレンおじさん』という絵本を海辺でつくりましたが、

 海辺での仕事は辛く、厳しいことも多いけど、

 すごく魅力的です。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 有機農業推進法に期待する

 長期・本格的なスタートを!   ・・・・ 金子 美登

 有機農業推進法の成立を受けて農水省は基本方針を定めるに当たり、食料・農業・農村政策審議会生産分科会の6名の委員に有機農業の推進に関する基本的な方針について調査審議するため、7名の臨時委員を加え、次の日程で動き始めた。1月19日、食糧・農業・農村政策審議会臨時委員に農水大臣より唯一の生産者として任命を受けてからは、一人でも多くの生産者の声を聞くことを第一に考えて審議会に臨むことを心がけた。1月22日、東京五反田TOCビルにおいて、有機農業生産者懇話会発足の集い。23日、滋賀県立大学において、農を変えたい!全国集会の滋賀プレ集会。27日、岩手県盛岡市において、岩手県有機農業研究会交流会。28日、栃木県宇都宮氏において、民間稲作研究所、創立十周年公開シンポジウム。以上、生産者及び有機農業関係者の声に大きな力をいただいて第一回の審議会に参加した。この審議会を含めた前後の動きは、『週刊農林』07年2月15日号(農林出版社)に最もタイムリーに取り上げられている。

● 「有機農業推進法基本方針」へ向け 農水省環境保全型農業対策室と話し合う   ・・・・ 日本有機農業研究会 提携と基準部

 有機農業推進法の基本方針の策定に向け、農林水産省(環境保全型農業対策室、栗原眞室長)と本会との話し合いを2月20日に行いました。すでに昨年12月11日に本会の基本的な法施行についての要望書は提出してありますが(『土と健康』誌1・2月合併号に掲載)、その後の基本方針案審議に沿う形で懇談したものです。本会の基本方針へ向けた基本原則の要望は、次の4点です。

 1 有機農家やそれを支える関係者の自主性を保障すること

 2 これまでの日本の有機農業の発展経過との継続性を確保すること

 3 有機農業の基本理念を正しく踏まえた政策としての高い理念性を保持すること

 4 一人ひとりの有機農業への意欲に対して、支援すること

● 06・12・10 農業・農村の未来と有機農業 シンポジウム報告・上(2回連載)   ・・・・ 中屋敷 宏

1、基本的視点-「グローバルなレベルを考えながら、日常を改革することが、未来につながる」という、フランスの反グローバリゼーション活動家で農民のジョゼ・ボベさんの言葉のような視点を基本的に据えてお話します。

2、アメリカの対日農業戦略-グローバリゼーションの中での農業問題を考える場合、アメリカの農業戦略がどういうものであるかを知ることが非常に大事です。

3、アメリカ農業の日本進出の根拠-水位低下や農薬、化学肥料の使いすぎでアメリカ農業が何年持つかという心配があります。もうひとつに、日本の政治のアメリカ従属がひどすぎることです。

4、アメリカ農業が日本進出をはたすための条件-それをさせないためには、まず、家族農業をつぶさないこと。農地法を守ることなどです。

5、新農政の内容とその予想される結果

6、新農政の農政観とその批判

7、農業の世界市場は市場原理では動いていない

8、有機農業運動の課題

9、結語

● 手前味噌を作ろう♪に参加して   ・・・・ 柳井 宏美

 昔は、味噌もそれぞれの家庭で手作りしていたと聞き、自分でも作れたらいいなと思って参加しました。

● 06・10・28 第4回生産者・消費者交流会・特別講演

病害虫に負けない作物づくり -園芸作物を中心に(上)2回連載-   ・・・・ 杉山 信男

 「病害虫との戦いだった園芸生産」-現在私たちが食べている野菜や果物の多くは明治維新後にアメリカやヨーロッパから導入されたものですが、導入当初はほとんどの府県で病害虫の被害が多発し、うまく栽培できませんでした。「環境保全型農業とは?」-環境保全型の農業技術は、土壌の理化学性の改善、化学肥料の低減、合成農薬の低減技術の3つに纏めることができます。「病害虫密度を低下させるための技術」-ここでは病害虫に的を絞り、いくつかの例を挙げながら環境保全型農業技術をもう少し詳しく紹介することにしたいと思います。「病害虫に対する植物体の抵抗反応」-病害虫の被害を受けにくくするためには、病原菌や害虫の密度を下げるだけでなく、作物の病害虫に対する抵抗力を高めることも重要です。そこで、次に作物の抵抗性について考えてみたいと思います。「作物と病害虫の遺伝的多様性」-作物の持つ遺伝的な多様性について、フィロキセラというブドウの害虫に対する抵抗性を例に説明したいと思います。

● 佐藤喜作のキサクな話 ある日の訪問者   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。

● 農家の自家増殖が犯罪となる日

 農水省は農民から種子を奪って何をしようとしているのか?   ・・・・ 安田 節子

 「農家の登録品種自家増殖原則禁止を打ち出した農水省」「農家の自家採種の権利を奪い、罰則の強化へ」「誰のため、何のための農水省か?」「手をこまぬいていたらどうなるか…」

● 種から育てよう51「かぼちゃ 鶴首」   ・・・・ 林 重孝

 千葉県佐倉市から。日本カボチャの一種で、終戦前後の食糧難時代に西日本を中心によく作られていたそうです。中国から日本に渡来したという説もあるそうですが、本会科学部が日本語吹き替え製作したドキュメンタリー映画『食の未来』の中にも出てきますから、もともとはアメリカ大陸から来ているのかもしれません。

● [農場だより] わらしべ農園   ・・・・ 入江 敦

 現在、米、小麦、大豆、そばなどの穀物と野菜を借地約2.5haで栽培しています。産卵鶏約70羽と豚2頭を飼育し、食べ物はほぼ自給。その延長線上で、直接農産物を買ってもらっています。農園の名前は、脱穀した後の稲藁も大切にしたいと「わらしべ農園」と名付けました。

● とれたて青年部① 青年部定例会ってどんな感じ?   ・・・・ 日本有機農業研究会 青年部

 2月初旬、月に一度の定例会が開催されました。この日の議題は、間近に迫った有機農業入門講座が中心でした。有機農業入門講座は夏の有機農業見学会と並んで、青年部が主催する重要な年中行事のひとつです。当日の段取りや役割分担について最終確認を行いました。

● 熱き心くん   ・・・・ 渡辺 知行

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、渡辺知行さんです。まだ、自然農を始めたばかり。作物は思ったようには出来ません。失敗しています。なので、今年は、近代農法も行いますが、来年以降、自然農に変えて行き、経営も成り立たせていきたいと思っています。

 田畑を「ホッとする」「さわやかな」「気持ちが良い」「一日中、ここに居たい」と感じる場にし、食べて「気持ちが安らかになる、元気になる」作物を作っていきたいと思います。

● BOOK 『農業に明日はあるのか』先﨑千尋著   ・・・・ 佐藤 喜作

先﨑氏は公人としての激務をこなしながら農政、農業、農協、系統組織、社会問題など広範な分野にわたり投稿し、警鐘をならしてこられた。本書は、『全酪新報』紙に連載された記事を柱に編集され、核心をついた読みごたえのある内容となっている。  >> 詳しく

 

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>> 紹介0701

『土と健康』2007年1・2月合併号(一部紹介)

作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 自然素材を使うこと。それを写真に撮って表紙として印刷すること。それは、季節のままの色を永久化できるエキサイティングなアートの仕事だった。

 それを7月からはじめて、4回目は、ヘチマとハヤトウリが、5回目には、カボチャの登場、小さな平面上から広い空間へ。

 野菜などの生素材と空間アート。これは是非やってみたかったアートだった。そして、今年は、高知や伊豆の海でひろった流木に絵を描くことにした。来年は一年間、できたら「畑アート」をやってみたい。今年はその準備に当てたい。

 さて、今年はこの表紙の空間を海辺にもっていってみようと思う。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 新春の挨拶 農と村の総崩れを止めなければ   ・・・・ 佐藤 喜作

 さて、一年の計は、元旦にあり。今年の計は、決まったでしょうか。ここで考えてみなければならないのは、今まで生活の向上は経済の豊かさにあると勘違いして、闇雲に現金収入を求め、なりふりかまわず景気を追い求めてきた、それはまるで、何の見境もない猪の真似をしたようなもので、猪突猛進であたことです。その結果、得たものは何であったか、失ったものはどんなものであったか。今の農や食の現状を見れば、豊かな自然環境、農の安定や食の安全など、あまりにも尊いものを犠牲にしてきた過去の事実を無視するわけにはいきません。亥年であるが故に、深く反省したうえで、農的スタンスで計画を立てたいものです。

● 「有機農業の推進に関する法律」が制定されました

―国の「基本方針」、地域での「推進計画」が課題に   ・・・・ 提携と基準部

 昨年12月の臨時国会(第165回国会)において、「有機農業の推進に関する法律」(略称有機農業推進法)が全会一致で成立しました。この法律は、「有機農業の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、有機農業の推進に関する施策を総合的に講じ、もって有機農業の発展を図ること」を目的とするものです(第一条)。

―有機農業推進議員連盟への要望書

―農林水産省への要望書

―有機農業の推進に関する法律

● 有機農業推進 私の提案

自信をもって「提携」を発信していこう   ・・・・ 若島 礼子

 食は命なり。心身の健康を望まない人はいない。日本有機農業研究会は、「自然と共生し、安全でおいしい米・野菜を作って食べ、健康で長生きしましょう」でいいのではないか。誰もが理解し共感できるスローガンのもとに、井戸を掘った人の志に思いをはせ、自信をもって「提携」を発信していきたいものだ。

日有研の存在をアピールし「熱き心くん」の出版を!   ・・・・ 小池 光一

 この推進法の成立を契機に、35年余にわたって日本の有機農業の推進普及に努力してきた、日本有機農業研究会の足跡を記し、広くアピールしていく事が再度必要ではないかとも思います。

● 有機農業推進条例をつくろう

今治市 食と農のまちづくり条例について   ・・・・ 安井 孝

 有機農業推進法の成立は、私たちに大きな期待を抱かせてくれます。しかし、法の制定は目的ではなく、この法を活かすかどうかは私たちの取り組みにかかっています。愛媛県今治市は、2006年の9月議会で、自治体版の有機農業推進法とも言える「今治市食と農のまちづくり条例」を制定しました。今治市食と農のまちづくり条例は、「地産地消の推進」「食育の推進」「有機農業の振興」を三つの柱として地域の農林水産業の振興を図り、まちづくりを進めていくという、全国にも例をみない条例です。

 

―今治市食と農のまちづくり条例(平成十八年九月二日条例第五九号)

● 佐藤喜作のキサクな話 鍼灸師の診た変化   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。久々に鍼灸師を訪れて聞いたことで、考えさせられたのでご披露する。私の質問は、訪れる患者さんを診て、昔と最近の違いの特徴は何であるか…

● 第35回 日本有機農業研究会全国大会・総会のご案内

 

● [農場だより] ひぐらし農園   ・・・・ 浅見 彰宏

 この冬はおだやかな始まりを迎えました。おかげでいつもバタバタする田畑の冬支度は比較的余裕を持って行うことができました。作業の上では有り難い天候ではありますが、冬が冬らしくないというのはやはり不気味。就農して10年というわずかなキャリアとはいえ、平年通りの天気だったことがほとんどありません。いつも「今年の天気はちょっと変だ」の連続。もはや少々おかしいのが当たり前という気になってきました。百姓ならではの天候に対する敏感さがやっと備わっただけかもしれませんが、やはり温暖化などの影響も表れているのではないでしょうか。

● ひろば   ・・・・ 園山 国光

 「トマト作り 私の進歩」果物のようなおいしいトマトを、雨除けで作ることがほぼできるようになりました。28年間取り組んできて、当初の頃よりも改良、進歩したと思うのは、次の4点です。①地下堆肥の工夫が進んだこと ②原土に地下堆肥を5%程度混入して作る、新しい育苗土が出来たこと ③トマトの遺伝子能を引き出す育苗の工夫 ④疫病対策 病菌はほぼ土中にいる

● 熱き心くん   ・・・・ 斉藤 博嗣・裕子

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、斉藤博嗣・裕子さんです。私たち一反百姓「じねん堂」は、茨城県稲敷郡阿見町で新規就農して2年目になります。一反百姓と名乗っていますが、現在は2反の田んぼと8反の畑に取り組んでおり、いつかは「一反」で暮らして行ける自然農法を目指しています。

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ⑫   ・・・・ 鬼川 利男

 千切り大根の「まだか漬け」、食べるのがまちどおしくて、漬かり具合を「まだか?」「まだか?」とききたくなる、というのが名前の由来、と聞けば、どんな漬物か、つくってみたくなりませんか?千切り(切干し)大根があれば、いつでも手軽につくれます。

● 各地から

 近畿 有機農業に支えられる食 古々米の玄米の試食など   ・・・・ 安全農産供給センター

 南関東 食べることから考え畑を見てみよう   ・・・・ 大西 道子

● 種から育てよう50「深谷中長なす」   ・・・・ 深谷 文夫・恵子

 埼玉県大里郡から。たぶん2000年に種苗交換会で種子をいただいたのが始まりでした。蒔いてみるといろいろな枝ぶりやら実で、かなり暴れた木でした。でも味は良かったので、野口種苗さんに行った際に聞いてみたら、「これはまだ固定化している途中で、F1から固定するのに8年かかるよ」と言われました。それでもおいしかったし、栽培主要品目は固定種にしたかったので、「じゃあ、私が固定します」と答えたのです。その後、毎年採種を繰り返しましたので、今年はF9くらいを播くことになります。最初は、固定するのに何年かかるか判らないので、名前をつけて可愛がろうと思いました。良い名前が思いつかず、自分の名前をつければ、頑張って毎年種取するかと思って「深谷長なす」と名づけました。今では、「深谷…」と言うたびに、なにやら気恥ずかしいです。

● 春夏播き種子と種芋をお分けします―種子の提供にもご協力ください  ・・・・ 種苗ネットワーク事務局・種苗部

 自家採取をしている方からご提供いただいて、本会種苗部と種苗ネットワークが冷凍保存している種子の一部を、種苗ネットワークの利用登録者にお分けします。

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● BOOK 『農業起業のしくみ』神山安雄著   ・・・・ 神山 安雄

新規参入(Iターン)して農業を始めた人たちを、今年春からぽつぽつと訪ねている。春に出会った五〇代後半の夫婦は、千葉県下で有機農業を始めて五年。夏に出会った四〇歳そこそこの夫婦は、愛媛県の中山間地で無農薬・無化学肥料・不耕起栽培の自然農法に取り組んで三年である。どの人も物静かに話すが、胸の奥底に情熱を秘めている。こうした人たちに農業で成功してほしい。あとにつづく農業を志す人たちが上手に農業の開始と経営定着への道筋をたどってほしい。そんな思いで、この本を書いた。  >> 詳しく

 

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>> 紹介0612

『土と健康』2006年12月号(一部紹介)

作・田島征三

撮影・酒井 敦

カボチャサークル

 

 原始「ストーンサークル」は

 なにの祈りだったのだろうか?

 カボチャサークルは大地への祈り。

 2007年1月23日~4月8日

 新潟市新津美術館に於ける

 「激しく創った 田島征彦・田島征三の半世紀」展、

 美術館の裏の丘に吊す捨てカボチャたちは天への祈り。

 熊野古道の「花の岩屋」祭、

 雪国の「雪ずり」、米の国越後、荒縄、

 全国の畑から集まってきた「捨てカボチャ」。

 3月13日から3月いっぱいまでは

 雪の中に「捨てカボチャ」がぶらさがっていると思います。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 第35回 日本有機農業研究会 全国大会に向けて

有機農業新時代の幕開けを!   ・・・・ 松沢 政満

 豊橋・田原地域が変われば、日本の農業は大きく動きます。日本の食、医、教育や環境の危機を救うためにも、みなさんの結集により、日本の有機農業の新しい時代の幕を力強く開けたいと思います。地域の有機仲間が精いっぱいの真心を込めて準備をすすめています。ご来豊をお待ちしております。

この豊かさを伝えたい   ・・・・ 正木 努

 私は有機農業が大好きです。これほど生活をエンジョイできる職業は、なかなかないのではと自分たちは思っています。夫婦、家族はいつでも家におり、一緒に仕事かでき、日々の生活の糧のために田んぼや畑に出て体を動かし、そのなかに育つ作物の生育に喜び、虫や土を観察し驚き、そしてそこで得た収穫物を味わう。稼ぐお金は少なくともほどほどにあれば十分。日々の生活はとてこ充実しています。この豊かさを伝えたい、そんな気持ちです。とても小さなことですがこれがなかなか難しいことなのでしょうね。大会では皆さんとそんな話ができたらなと思います。

地域の人に助けられて自らの手で創る暮らし   ・・・・ 星 洋輔 ・ さやか

 この春より、愛知県は新城市にて夫婦で有機農業を始めました。来年開かれる全国大会では、有機農業の諸先輩方よりいろいろとお話を聞きたく思っています。また、私たちのような「暮らし」に共感する若い世代の方が一人でも多く、有機農業の世界の扉を叩いてくれることを願っています。

貴重な野菜を無駄にしないために   ・・・・ 村上 邦昭 ・ 嵐 てる子

 安全でおいしい有機農法による野菜を、ひとりでも多くの方に知っていただき、貴重な野菜を無駄にしないようにと願っています。有機農業の集いでお会いしましょう!

● 第35回 日本有機農業研究会全国大会・総会のご案内

● 私たちもみなさんの参加をお待ちしています

 100%セルフビルドで自宅は建てた!次は「本物の百姓」に!   ・・・・ 小川 友則

自然なお産についてお話しましょう   ・・・・ 久野 愛里子

心と身体にやさしいひと時を!   ・・・・ 後藤 紀生子

● 佐藤喜作のキサクな話 砂糖と暴れ馬   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。さて、砂糖の事で思い出すことがある。今では馬をみるのは競馬馬と北海道の挽馬くらいで、身近なところで見ることは絶えてない…

 

● 2006年夏のシンポジウム報告 崩食の時代を農政のあり方から問う

<報告5>たじろがない「勇気」を―初心を確認し、足元を見つめよう   ・・・・ 槌田 劭

 1、「幸せだな~」と思える生き方 2、当たり前の暮らしを取り戻す 3、配当金目的の出資金はいらない 4、有機農業運動は曲がり角に 5、金銭合理主義には希望も未来もない 6、政治に過剰な期待は禁物。足元を見つめよう

<報告6>遺伝子組み換えは有機農業と共存できない!!―新潟の米を守る運動から   ・・・・ 鶴巻 義夫

 1、「集落崩壊」と「GMイネの実験栽培」という危機 2、運動のベースになっている日有研の見解 3、直接交渉、裁判…そして科学者も立ち上がった

<報告7>「提携」「認証」「ゆうきフェスタ」、そして「自治体」―いろいろな回路をつなげていく   ・・・・ 間 司

 1、検討に検討を重ねた結果、認証団体に 2、有機農業の振興は生産・消費・流通の総合政策で! 3、県下の全市町村にアンケートを実施 4、認証費用の半分を負担しようという自治体も! 5、消費者の行動が生産者のあり方を変える

● 種から育てよう49「アロイトマト」   ・・・・ 岩崎 政利

 長崎県雲仙市から。野菜作りのなかで、特に有機無農薬のトマト作りは、私の農園の中では、とても生産が不安定なもののひとつです。手間がかかる割りには、生産性がとても低いのです。しかし、やはり自ら作ったトマトが食べたい、そして消費者もそのトマトを毎年待っている。そんな思いで毎年続けているトマト作りです。そんなトマト作りのなかで、長年にわたって守っているトマトがアロイトマトです。自家採種できる数少ない完熟のおいしいトマトです。元は、桃太郎トマトから、10年くらいかけて固定したトマトだと聞きました。そのためか、完熟トマトとして、とてもおいしいと思います。

● [農場だより] ひぐらし農園   ・・・・ 浅見 彰宏

 千葉県から喜多方市山都町早稲谷地区に就農して早10年が経ちました。ここは万年雪を抱く飯豊山の麓にあります。会津といえばやっぱりお米。早稲谷地区は山間地ながらも田があちこちに点在し(ほとんどが小さな棚田ですが)、美しい田園風景が生きています。

● BOOK 『野菜の時代』瀬戸山玄著   ・・・・ 藤田 妙子

世田谷区の、住宅地に囲まれた畑。持ち主はこの地で四百年続く農家で有機農業のパイオニア、本研究会でも長らく活躍してきた大平博四さん。この畑に魅せられた著者は大平家のすぐそばに居を移し、数年にわたり援農しながら記録をとってきた。  >> 詳しく

 

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>> 紹介0611

『土と健康』2006年11月号(一部紹介)

作・田島征三

撮影・酒井 敦

竹の地下茎にからまるハヤトウリとヘチマ

 

 2006年5月、ぼくは土佐の海から拾って来た竹の地下茎を、自宅のベランダの上空に張りめぐらせた。

 かつて地下にあり、ミミズやオケラと暮らしていたものを、小鳥や飛び虫とたわむれてほしい、と考えたからだ。

 地下茎はベランダの東にあるカラスザンショから、南にあるゴンズイに、ゴンズイからベランダの中に生えているコナラへ、さらにコナラから南西にたっているヤマウルシへと繋げた。

 そして、竹の節ごとにモミジバフゥの実をぶらさげてやった。

 楽しいインスタレーションができた。

 ぼくは、これをカメラマンの酒井敦君にたのんで、コマ撮りにし、7月29日~9月18日、高知県立美術館で開催された「激しく創った!田島征彦・田島征三の半世紀」展の壁から天井にかけて貼り付けた。

 なかなか面白い「写真によるインスタレーション」になった。

 高知で写真が飾られている間、自宅にある実物の竹の地下茎からは、モミジバフゥの実がひとつずつ落下してゆき、2~300個あったほとんどが土に還っていった。そのかわり春に植えてあったハヤトウリとヘチマとゴーヤ(ゴーヤは伸び悩んだが、ヘチマとハヤトウリは今も蔦を拡げている)。

 2007年1月23日~4月8日、「激しく創った…」展は、新潟市立新津美術館で開かれる。ぼくはヘチマ、ハヤトウリ、ゴーヤに手伝ってもらったインスタレーション作品を、今度は新潟の美術館の白壁に展示しようと思っている。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 2006年夏のシンポジウム報告 崩食の時代を農政のあり方から問う

<報告2>新農政で消えてしまう?日本の家族農業

 農民自身に危機感がないところに深刻な危機がある   ・・・・ 星 寛治

 1、弱者切り捨ての新農政に異議を! 2、共に支えあって生きてきた農村 3、やがて多国籍企業の餌食となるのか… 4、有機農家は何の支援も受けられないという懸念 5、有機農業運動はゆるやかに柔軟に、かつ強力に 6、原点に立ち返って新たな地平をめざそう 7、自由な百姓に徹して生きたい 8、命の連鎖の力を拠り所に新たなコミュニティを!

<報告3>共につくり、食べる

 農の暮らしを共に楽しむ有機的なつながりを求めて   ・・・・ 窪川 典子

 1、農園を開放! 共に暮らして心も開放! 2、今年もひとりでやってきた小学生 3、研修生、ゼミ合宿、農園ツアー…集う若者に希望

<報告4>消費者(提携)の後継者がいない

 生産者は小さなパイの奪い合いからどうやって抜け出すか?   ・・・・ 八尋 幸隆

 1、野菜は有機栽培、米は減農薬栽培からスタート 2、消費者とは「提携」よりもっと開かれた交流へ 3、「作物をつくり、料理して食べる」体験を! 4、生産者は小さなパイの奪い合い 5、食べ物ができる過程を知る『場』を提供

● 佐藤喜作のキサクな話 遭難と飯炊き   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。さて、民謡米節に「お米を一粒粗末にならぬ、米はわれらの親じゃもの」と唄うごとく、日本人は米を大事にしてきた…

● 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン10周年記念集会案内

 遺伝子組み換え食品の過去・現在・未来 「植物から動物へ、そして人間へ」

● 2006年「たねとりくらぶの集い」・報告

 第8回全国種苗研修会 講演 かわいそうな野菜たち -固定種の復活を夢見て-   ・・・・ 野口 勲

 「人類最古の栽培植物は瓢箪?」日本では1万年近く前の遺跡から瓢箪が見つかっています。1万2000年前に日本に渡ってきた人々が、1万年前に瓢箪を栽培していたとすれば、アフリカ原産の瓢箪をいったいどうやって手に入れたのかという話になります。

 「農薬、化学肥料と共に成長した一代雑種」現在、なぜ一代雑種の時代になったかというと、戦争で食べ物がなくなったことが原因です。食糧増産という掛け声の中で、ビニールハウス、農薬、化学肥料、一代雑種は成長していきました。

 「農家の自家採種を阻む遺伝子組換え」一番怖い遺伝子組み換え技術が「ターミネーター」と呼ばれるものです。「ターミネーター」種子は、農家の自家採種を抑えるために開発されています。これは世界中から反対を受けていますが、今でもひっそりと実験を続けていると非難されています。

 参加者感想文 ・・・・ 岩木 蕗子

● 理事・幹事を紹介します

● ひろば   ・・・・ 今 道代

 「多彩な品種のりんごを楽しんで!!」私たちは、青森県鰺ヶ沢町で有機農業を営んでいる今(こん)と申します。さて、青森といえば、りんごです。わが農園では早生種から晩生種まで20数種類のりんごがあります。普通の農園では3~4種類を作るのがせいぜいですので、かなり特色ある栽培をしています。

● 熱き心くん   ・・・・ 梅原 美奈

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、梅原美奈さんです。「そうだ、農業にしよ!」と気軽に思いついたのは、高校三年生のときです。今から思えはその頃は、清く正しい世界平和のためにも、私は農業技術を身につけたい!くらいの浅い考えで、卒業後すぐ八郷町の有機循環型農場に出かけていきました。

 農場にあったのは、土を通して作物と残渣、残飯、家畜のエサ・糞尿、肥料がぐるぐるまわる世界。東京での「ものは買って捨てるのが当たり前」の世界との大きな価値観の違いにひどく驚きました。そしてただただ農作業が楽しく、その世界の中で生きているのが気持ちいい、と純粋な畑好きとなっていったのでした。

● 農場だより   ・・・・ 丹 直恒

 茨城県笠間市から。暮れまでに防寒対策を講じなければならない。これはその地方の気候に合わせた独特の技術だし、ちょっとした工夫や改良もある。仲間と集まったときには各人各様の技術の交換をするのが楽しみだ。

 ベタがけを多用している。冬の葉物畑には、これをそれこそべったりとかけまくるので、遠くからは畑が白く見え、伝統的、有機農業的とはいえない眺めとなる。しかしこれなしでは冬の葉物はほとんどとれないので、廃棄に際してはポリマルチよりは罪が軽いと、勝手な理屈をつけて使っている。3年くらいはもつ。メーカーはどこでもいいが、葉物のベッド幅を60センチにしているので、それに作物の丈と地面に留める耳の部分を加えて、150センチ幅の企画に決めている。

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ⑪   ・・・・ 松沢 政満

 わが家では、帰農してすぐ柿酢を作り始め、もう20年以上、酢は購入したことがありません。ミネラルたっぷりで、味に深みのある柿酢は、家族や来客はもちろん消費者にも好評です。柿に付いている天然酵母と酢酸菌を活用するので、柿と容器と少量の焼酎があれば簡単に作れます。

● BOOK 『「耕す教育」の時代』星寛治著   ・・・・ 高田 美果

「教育の原点を考える手がかり」教える、教わるってどういうこと?という教育の原点を考える手がかりに数多く出会えます。生きる力を養うことが教育ならば、“なるべく土から離れる人間を育てようとしてきた近代教育は、最初から矛盾を抱えていたのでしょう。長い人類の歴史から見ると、近代教育は、知識に傾き過ぎた異質なもののようで、これから本筋の「耕す教育」を新たな形で創造できるのではという希望が見えてきます。  >> 詳しく

● 種から育てよう48「打木早生赤皮栗かぼちゃ」   ・・・・ 岩崎 政利

 長崎県雲仙市から。この在来種を気に入っているのは、早生で作りやすいこと、収穫適期がはっきりしていること、少し頭が細く出ている姿がなんとも個性的であること、さらに、なんといっても生りが安定していることからです。2005年は、ほとんどのかぼちゃが不作のなかで、この赤皮栗かぼちゃの出来は、いつもの年とそんなに変わらなかったのです。かぼちゃ栽培で一番の問題である。うどん粉病に割りと強いこともあるでしょう。

 

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>> 紹介0610

『土と健康』2006年10月号(一部紹介)

画・田島征三

カラスウリ

 

 森の小道を、木の実を探しながら歩いていたら、

 まだ青いカラスウリが、木の枝にぶらさがっているのを見つけた。

 下草を刈る時、蔓の根元のところを切られたらしく、葉も蔓もしなびている。

 カラスウリは、おいしそうに見えるけれど、人間は食べないようだ。

 カラスが好きな実なのだろうか?

 ここまで書いて、編集部に送ったら、

 担当の上杉幸康さんがカラスウリの由来を調べてくれた。

 カラスは「鳥」ではなく、「唐朱」だと言う。

 秋の運動会が近づくと、カラスウリが色づいて「唐朱」色の実が、

 垣根や雑木の枝にぶら下がっている。

 子どもたちが、その実を採るのは「大黒さま」の形をした種が目当てだ。

 「大黒さま」を縫い込んだ鉢巻きをしめて走ると、一番になれるという。

 だが、「大黒さま」をたくさん頭に巻いても、僕はいつもビリだった。

 「ほかの子もみんな、カラスウリの種を鉢巻きに入れているからですよ」

 と、上杉さんに、指摘されてしまった。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 壊死する風景 すさまじい勢いですすむ生産基盤の崩壊  ・・・・ 先崎 千尋

 国の「担い手」政策は大改革になるのか? 農業の再生の基本は地産地消

● 2006年夏の有機農業見学会in千葉県・東庄町

 報告 田んぼ・畑・養鶏場・加工場 現地で聞いた 生産者の熱い思い   ・・・・ 増田 裕子

 鎌形正樹さん・幸子さんの農場―虫除けにはコンパニオンプランツ、ワリフなど

 岡野哲也さん・やよいさんの農場と加工場―冬季湛水、低温育苗、半不耕起の田んぼ

 中野幸子さんの農場―飛び込みで開拓していった販売先

 佐久間清和さん・知子さんの農場―不耕起自然農、種は直播、草刈は1~2回

● 参加者の感想

 早く仲間入りしたい ・・・・ 岩崎 直純

 「力強さ」に励まされて ・・・・ 多田 マリ子

 有機農業に魅せられた2日間 ・・・・ 橋詰 史子

● 2006年夏のシンポジウム報告1 崩食の時代を農政のあり方から問う

 「飽食」教育で崩壊した農業の建て直しは「農的」教育の義務化によって   ・・・・ 須藤 正親

 1、アメリカの対日食科戦略に絡めとられた日本の農政 2、アメリカの「食事改善目標」で動き出した「日本型食生活」の見直し 3、問われている「農的生業」の位置づけ 4、学校教育と智の結集を

● 「食の未来」と日本の現状   ・・・・ 科学部

 「食の未来」解説テキストのすすめ

● 国際提携運動ネットワークURGENCI第一回目の運営委員会・報告

 日本で始まった提携運動 世界に広がる!  ・・・・ 橋本 慎司

 日本で始まったといわれている産消提携運動は、米国でCSA運動(消費者が支える農場)として広がり、現在、カナダ、フランス、スイス、イギリスでも広がっている。ヨーロッパ、南米、アジア、アフリカ地域でも生産者と消費者が連帯して農場を支える組織が生まれつつあり、今や提携運動も世界的広がりを見せている。各国の提携運動の繋がりを国際的なネットワークとして結び、お互いに学びあいながら世界に提携運度を広げようという呼びかけは、南フランスでの提携運動(現地ではAMAPと呼ぶ)が中心になって始まった。

● 本会からのお知らせ 全国幹事会・理事会報告など

 自立・自給の有機農業を進めよう! 有機農業推進法案とシンポジウム報告集について  ・・・・ 総務部

 1、有機農業推進法案のゆくえ―昨年秋から、骨子案が示されてきた有機農業推進法案は、早ければ9月~10月の臨時国会、あるいは次期通常国会に上程される見通しです。これは、超党派でつくる有機農業推進議員連盟(2004年11月結成。会長谷津義男衆議院議員、事務局長ツルネン・マルテイ参議院議員)が議員立法として進めています。

 夏のシンポジウム報告集の作成について―8月28日には、全国幹事会に引き続き、午後から8人のパネラーにより、「崩食の時代を、農政のあり方から問う」を総合テーマにシンポジウムが開催されました。

● 理事・幹事を紹介します

● 熱き心くん   ・・・・ 山木 幸介

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、山木幸介さんです。農業研修は、千葉のとある出荷団体に行きました。そこで多くの農家さんに研修を受けさせてもらいました。研修を通して、ひとりで就農することの難しさを感じていた私は、チームを作って就農したいということを考えていました。そして、研修先で知り合った同年代の新規就農を目指す二人と、研修先の一つだった、今のお師匠さんの畑を借りて、3人の若手農家集団“三つ豆”を立ち上げることができました。

● 種から育てよう47「赤そらまめ」   ・・・・ 今関 知良

 赤飯に炊き込むと絶品―ソラマメといっても、皆さんご存知のミドリ美しいソラマメではありません。サヤも粒も半分程度の大きさです。若取りして食べる次期にはサヤは緑色ですが、豆粒はうす茶色で、黄緑色のベレー帽をかぶったようなかわいい形です。熟してくるとサヤは黒くなり、マメは濃い小豆色になります。

● 農場だより   ・・・・ 丹 直恒

 茨城県笠間市から。笠間は地域で分類すれば北関東になるが、このあたりの気候は、夏は暖地、冬は寒冷地となる二重性格で、タネの袋に書いてある播種時期はあまり参考にならない。

● 佐藤喜作のキサクな話 びしょなし   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。私は郷里を離れた遊学が7年も続いたが、いつも言葉で泣かされた。でも戦後の標準語教育で、今では地元でさえ方言が使用されなくなり、老人の方言を若い人は理解できなくなった。それでも私は折に触れ、方言が思い出される。

● 第35回日本有機農業研究会全国大会 愛知県豊橋大会(07年3月10日~11日)の準備が進んでいます   ・・・・ 松沢 政満

 エネルギーや環境を優先配慮しなければならない時代において、農産物の世界的経済競争にIT農業化で勝算があるようにも思えません。県や市の農政が「ハードルが高い」と逃げ腰になっている有機農業にこそ、環境の時代にも持続可能な循環型社会を担う底力があると信じる約50人の大会実行委員は大いに議論し、準備を進めています。

● BOOK 『イタリア有機農業の魂は叫ぶ』ジーノ・ジロロモーニ著

        『オーガニックなイタリア農村見聞録』蔦谷栄一著   ・・・・ 蔦谷 栄一

 二つの本はともにイタリアの有機農業を取り上げたものである。スローフードを中心にイタリアの食についての関心が高まっているが、イタリア農業に関する文献はきわめて乏しく、またイタリアが世界有数の有機農業大国であることについてはほどんと知られていない現状からして、貴重な文献であるといえよう。  >> 詳しく

 

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『土と健康』2006年8・9月合併号(一部紹介)

画・田島征三

カラスザンショの心の穴

 

 紅葉と落葉は秋の「行事」ではないことは、

 前から知っていた。

 五月、神戸の街で、楠の木の葉が真っ赤に紅葉し、

 歩道に散り敷いているのを見たことがある。

 楠の新芽がやわらかな葉をひろげはじめると、

 去年の葉が赤く色づいて散ってゆくのだ。

 そのあまりの美しさにぼくは、ちょうど開いていた個展会場の壁に、

 その真っ赤な落葉を、大量にはりつけたのだった。

 ぼくの家のカラスザンショは春四月、新しい葉をつけるのだが、

 七月になてさらに大胆に新緑を繁らせる。

 その時、四月の葉がまっ黄になって、

 一枚ずつ、ひらひら舞うのである。

 そのようすがあまりにもきれいで、

 描きかけの100号のキャンパスにはりつけてしまった。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 画期的な群馬県知事の有機リン系農薬空中散布自粛要請   ・・・・ 青山 美子

 ヘリコプター散布は、友人無人を問わず人体に対し最悪の散布方法です。有機リンは体内の多数のセリン加水分解酵素を阻害し生理活性物質の代謝をはじめとする複雑な障害を人体に与えます。その一番大きな影響を受けるのが脳であり、殊に胎児と子供の脳に致命的な悪影響を残します。これがイギリスやEU諸国が有機リン全廃に踏み切った背景なのです。

● 有機農研+「ポケットファームどきどき」&東京都足立区立都市農業公園

  新たな協働の試み   ・・・・ 魚住 道郎

 昨年の9月中旬、茨城県茨城町にあるJA全農いばらきが直営する「ポケットファームどきどき」の鎌田定宗部長から、約5反歩ほどある畑を「有機で野菜を作ってほしい」、そして、「その野菜はすべて、併設する『森の家庭料理レストラン』で使いたい」との話があった。

 全農が有機農業を率先して行うという話はいままで聞いたことがなかったし、もしも、ここでうまくいけば、全国への波及効果は十分あると想い、足立区都市農業公園に関わっている石岡の仲間たちと積極的に取り組むことになった。

● 「有機農研」との協働で実現した念願の有機栽培農園

JA全農いばらき「ポケットファームどきどき」 夢づくりに参加している人たち、それぞれの想い   ・・・・ 中村 易世

 美しい有機栽培の農園と、そこでとれた新鮮な旬の有機野菜をふんだんに使った、“野菜料理がメイン”というバイキング形式の「森の家庭料理レストラン」、そして親子連れの来園者が、種まきや収穫など、気軽に楽しく土や野菜にふれることができる多彩なイベントなどがある。

 「ここを始めたころから有機栽培の農園をつくるのが夢だった」という鎌田さん。その夢を一緒に追いかけてきた小泉さん。夢づくりのお手伝いをしている有機農研の生産者のみなさん。そして有機栽培の農園の出現に刺激されて新たな一歩を踏み出そうとしている地域の生産者など、「どきどき」の夢づくりに参加している人たちそれぞれの想いを聞いた。

● 食品への放射線照射は、百害あって一利なし 原子力委員会の意見募集報告案「食品への放射線照射について(案)」は、撤回を!

 国民をだます記述に満ちた報告書は、認められない!   ・・・・ 照射食品反対連絡会

 ことし7月13日、内閣府原子力委員会内に設置された食品照射専門部会は、 原子力政策大綱において示された報告で食品照射を推進するため、現状や今後の考え 方をとりまとめた報告書を出そうとしており、その案について、意見提出を国民に求 めています。報告書(案)は、「わが国においては、国民の「食と健康」及び「食の安全・安 心」に対する関心の高まりから(中略)、「食の衛生」への強い要望が生じてきてお り・・・」とあり、2000年に、全日本スパイス協会から香辛料について放射線照 射の許可の要請が出されたのも「そうした取り組みの一つと理解される」としていま す。しかし、国民の食品の安全、衛生への関心の高まりは、化学合成食品添加物の使 用、栽培時の合成農薬・化学肥料の使用、そして、鶏インフルエンザやBSEを生ん だ大規模の効率一辺倒の工場的畜産などへの批判とあいまっています。国民の多く は、放射線照射が、食の安全・安心、そして衛生確保に寄与するとは思っていませ ん。

● 隣の田んぼから農薬がふりかかった!

  飛散防止の農水省局長通知は、末端では無視され、通知自体も不備   ・・・・ 辻 万千子

 今年の5月から残留農薬のポジティブリスト制が導入され、農水省の消費・安全局長、生産局長、経営局長が連名で、飛散防止をするよう何度も通知を出されていますが、末端では何も知らないし、守られていないということです。

● 佐藤喜作のキサクな話 コウノトリと自然回帰  ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。全国健康むら21ネット豊岡大会から。コウノトリの40年前の絶滅、35年前のシベリアコウノトリの導入と繁殖、そして自然への放鳥、繁殖実現などの苦労話に脱帽。感激に浸った。

● 各地から

 四国 高知県有機農業研究会結成大会を開催 ツルネン氏が「キューバ報告」   ・・・・ 田中 徳武

 南関東 給食に有機野菜を!という前に栄養士や調理師と一緒に勉強会を!   ・・・・ 八木 直樹

● 熱き心くん   ・・・・ 安部 信次

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、安部信次さんです。1996年に大学を卒業後すぐ、農園を開いて農業を始めてから11年目になります。無農薬・無化学肥料・不耕起の田(5反 今年の水稲作付2反)畑(2反)で米と野菜を栽培。平飼いで採卵養鶏を行い、そのほかに、私は塾の講師と家庭教師、妻は実家の本屋の店番をしています。東京生まれでサラリーマンの家に育ち、田舎のない私にとって、農業・農家というものは、子供のころのあこがれでした。農家に生まれなければ農業はできないと思っていました。

● 意見広告と食の安全とGMイネを考える上越集会の報告   ・・・・ 安田 節子

 7月19日には、「食の安全とGMイネを考える上越集会」が開催されました。リージョンプラザ上越には地元や全国から集まった人々で埋まり、私も横浜の仲間とともに参加しました。GMイネ裁判では意見書を書いて協力にサポートしてくださっている生井兵治さんが「遺伝子組み換えイネの生態系の影響」と題して講演をされました。

● 農場だより   ・・・・ 高橋 隆子・久

 静岡県韮山町から。「山の秋」夏は熱暑地獄の下界には下りずに、涼しい山で過ごし、いくつかの台風を越えると、山の秋は一気に加速する。畑には真っ赤なアキアカネが、口を開ければ飛び込んできそうなほどたくさん飛び交う。あれほどうるさかったヒグラシが、いつのまにか虫たちの大合唱にかわる。空気が凛と澄む。さあ、収穫の秋。「十年十色」10年以上農業をやっていても、一年一年は新しい年。今年は曇りや雨の日が多くて、お日様が照らす日は明るく、木々の蔭が美しく見える。とてもありがたい。畑に堆肥を選んで、トラクターでロータリーするのも、管理機で畝立てするのも、雨続きだとできないので送れる。小麦、ジャガイモ、玉ねぎの収穫も2~3日晴れてくれないとできないので、6月は空と天気予報ばかり気にしていた。ひとつひとつ収穫を終えると、気持ちがらくになる。

● 種から育てよう46「かき菜」   ・・・・ 神谷 光信

 アクが少なく、おいしい菜(群馬県邑楽町) かき菜は、側枝を摘み取った菜です。のらぼう菜(当地にはない)に似ているようです。当地では昔から栽培されていて、種子も普通に売られているので、どこにでもある菜と思っていました。ところが、移転前の帰農志塾で開かれた第2回種苗交換会の折だったと思いますが、春先に野菜類が足りなくなるという話になり、ある人が「かき菜があるでしょう」と言ったところ、埼玉県小川町の金子美登さんが「かき菜って何」と質問したことから、かき菜が地域的な野菜であることを知りました。最近、地域特産品として売り出す農協も出てきました。しかし、日持ちが悪く、産地以外には広がっていきにくいようです。

● 達人に聞く 「旬の有機農産物」加工のすすめ⑩ 「青いトマトのジャム」   ・・・・ 尾崎 ミチコ

 トマトも終わり頃になると先が伸び放題。ハウスはジャングルのようになってきます。これはウチだけのことでしょうか。そろそろお払い箱になる運命の残留組、赤くなり損ねた青いトマトたち。行くつくところ、畑の片隅に積み上げられ、いずれは土の栄養分となるこのトマトたち。でも、これが実は宝の山だったのです。

 

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>> 紹介0607

『土と健康』2006年7月号(一部紹介)

画・田島征三

パピルスの妹

 

 木の実を使っての作品づくりで、最初からそれを印刷物に

 使用することを目的としているとき、

 ぼくはなるべく色のついている木の実を使おうとする。

 木の実の名前はしらないが、わが家の庭にある木の実だ。

 ぼくは「ピンポンうきの木」といっているが、

 それは子どものころ小川で魚釣りをする時、

 よく使った「ウキ」に木の実が似ているからだ。

 赤いオーガニックな形の和紙に渦巻きの形に並べるのは、

 あまりにも抵抗がなさすぎて、躊躇したが、

 この方が木の実の形が生きるとも思った。

 撮影後、木の実は再び台紙からはずして天日で干し、

ほかの、黒い色になってしまった木の実とともに

 もっと大きな渦巻きになるのかもしれない。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 必要なのは農薬削減のための政策   ・・・・ 植村 振作

 農薬についてもっと積極的に毒性を知り、「農薬ノーの権利」を有機農業者の立場から主張しようではありませんか。「農薬は必要」(農水省)というのが国の基本的な考え方 「ポジティブリスト制度」(厚労省)で農薬摂取量は減らない!

● 05年11月12日 第3回 生産者・消費者交流会 「特別後援」3回連載【その3】

  有機農業のための育種と採種の体系(試案)   ・・・・ 生井 兵治

 ①IFOAM(国際有機農業運動連盟)の「植物育種基準草案」(2002) ②有機農業育種の体系(試案) ③育種の基本操作と育種法 ④高度有機農業適応品種の育種法 ⑤まとめにかえて-今後の展望

● 熱き心くん   ・・・・ 中野 幸子

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、中野幸子さんです。体を動かすのがとにかく嫌いな私ですが、「これからは土のある暮らしでしょ」と思ったから、深く考えず就農しちゃいました。今ではネズミにも蛇にも動じない!

● 第34回 日本有機農業研究会全国大会 in千葉県・三芳村 分科会報告

○ 第一分科会 有機稲作 地域の田んぼを守り育てる

 有機稲作の面白さ -ザリガニとともに稲をつくる ・・・・ 八代 利之

○ 第三分科会 一人ひとりの食べ方が農業を変える

 提携のこれまで・今・これから ・・・・ 井上 昌代

○ 第五分科会 遺伝子組換え作物と有機農業

 組み換え推進の本当のネライは「種の支配」

○ 第六分科会 これからの有機農業運動と有機農業政策

 日有研の発足から始まった日本の有機農業運動

○ 第七分科会 グローバリゼーションを問う 平和と地域の自立

 「金銭偏重」の猛威に抗する有機農業運動 ・・・・ 舩戸 修一

○ 大会に参加して

 有機農業と関わっていきたい ・・・・ 北村 千種

 貴重な財産になった三芳村での3日間 ・・・・ 中村 愛

● 達人に聞く 「旬の有機農産物」加工のすすめ⑨ 「ゴーヤー茶など」   ・・・・ 吉原 早苗

 ゴーヤーといえば「沖縄」でしたが、最近は全国に人気が広がり、いまでは日本の夏の定番野菜としてなくてはならない存在になりました。ビタミンCがたっぷりで、しかも加熱しても壊れないというので、夏バテした身体にはもってこいの野菜だと思います。

● 農場だより   ・・・・ 高橋 隆子・久

 静岡県韮山町から。「久は跡継ぎだから」と口癖のように言っていた母も、「農業は見通しがないから待て」と言っていた父も、僕が「農業をやってみたい!」といったら黙ってしまった。

● 種から育てよう45「ルッコラ」   ・・・・ 林 重孝

 育てやすく、種取りも簡単 アブラナ科の野菜で葉物の一種、イタリア料理でよく使われ、最近はスーパーマーケットでもよく見かけます。葉に大根に似て切れ込みがあり、ホウレンソウに似ています。味は少し辛味があり、ごまの香りがします。

● 秋蒔き種子をお分けします   ・・・・ 種苗部

● 佐藤喜作のキサクな話 「わたしは何人」  ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。種族について、ふとわたしは何人だろうと考え込む。これが決まれば安心するわけでもないが、日本人であることは間違いないだろう。では何を備えれば日本人といえるのか。

● BOOK 『有機農業法のビジョンと可能性』有機農業研究年報 vol5   ・・・・ 古沢 広祐

 農業技術の具体例や動向紹介。Ⅰ 有機農業の法制化を問う Ⅱ 環境汚染・破壊と環境創造 Ⅲ 有機農業を研究する  >> 詳しく

● 各地から

 近畿 「全国健康むら21ネット」の発足と明日にむけて   ・・・・ 小林 美喜子

 

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>> 紹介0606

『土と健康』2006年6月号(一部紹介)

画・田島征三

零れる想い、散るねがい

 

 今、伊豆半島では、エゴノキの白い花が

 はらはらと散っている。

 このエゴの実は、

 昨年拾い集めた未成熟のものだ。

 今年もまもなく落ちてくるから、

 それを他のパネルに並べて、

 このパネルと対になったひとつの作品を

 創るつもりだ。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 スパイス(93品目)に放射線照射は認められない!   ・・・・ 里見 宏

 危険なことがわかっている照射食品ですが、原子力行政と流通業者の利益のために消費者が犠牲になることは許されません。認可されてからでは遅すぎます。「照射食品はいらない」の声をあげてください。

● 報告 青年部主催 有機農業入門講座2006

  自己“農力”の探求、それが自立のはじまり   ・・・・ 尾崎 零

 「農業で食べられるか」という問題ではなくて、いち早くその価値観を見いだして、その暮らしを始めた方がよいと思います。これからたぶんどんどん循環型社会に来る人が増えてくると思います。農業・林業・漁業も含めてこちらに人が来るでしょう。そのときにモデルとなるような生き方をしてほしい。

○ 入門講座に参加して

 多くの可能性を秘めている農業 ・・・・ 茂木 もも子

 「はじめの一歩」の手前ですが ・・・・ 増田 裕子

 自然のサイクルは素晴らしい! ・・・・ 伊藤 真弓

 就農に向けて準備中 ・・・・ 中島 直

● 佐藤喜作のキサクな話 「スキンシップと危機への備え」  ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。しょし(恥ずかしい)話だけれど昔語りをしよう。昭和初期の農家の実話である。どの農家も大家族であった。まず何人いようと湯手ぬぐいが一本・・・。

● 熱き心くん   ・・・・ まつばらつとむ・まゆみ

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、まつばらさんご夫婦です。埼玉で夫は有機農業の研修を半年した後、夫婦でバイトをしながらの就農地探し。ネットで栃木県茂木町が新規就農支援をやっていることを知り、訪ねたことから始まり・・。

● 第34回 日本有機農業研究会全国大会 in千葉県・三芳村 報告

  [シンポジウム]わたしの原点・これから

 三芳村は「提携」の原点 ・・・・ 星 寛治

 質の向上と消費者の信頼を大切に ・・・・ 和田 博之

 提携は生・消による自立互助の精神で ・・・・ 戸谷 委代

 これしかない!という信念で27年 ・・・・ 林 重孝

 岡田茂吉師の自然農法を知る ・・・・ 吉野 修

 食べものこそが健康をつくる ・・・・ 内田 美津江

○ 大会に参加して

 生産者と消費者の強い絆に感動 ・・・・ 村本 吉崇

 「提携」とかかわった25年間を振り返って ・・・・ 佐藤 文紀

● 種から育てよう44「花芯白菜」   ・・・・ 岩崎 正利

 普通の白菜は、結球しなかったりすることが多くて、作りにくい野菜だと思います。とくに種まきや定植が遅れたりすると、結球せずに終わり、そのまま花が咲いてしまうことがあります。作りやすい白菜を求めていく中で、この半結球の花芯白菜にたどり着いたのです。この白菜を岩崎さんが説明します。

● 「The Future of Food」日本語版製作賛同と全国上映運動への参加呼びかけ   ・・・・ 日本有機農業研究会科学部

● ロシア科学アカデミー イリーナ・エルマコバ博士の来日決定!全国で講演会!

  イリーナ・エルマコバ博士のラットの給餌試験で表面化した遺伝子組み換え大豆の有害性  ・・・・ 山田 勝巳

 新生ラット死亡率55.6%、発育不良も多発 -インドでは GMワタで羊が大量死、GMワタ収穫後の畑に羊を放牧して1週間後・・・。

● 各地から

 九州 有機農業が切開くもう一つの道 2006年福岡でのシンポジウム報告   ・・・・ 佐藤 剛史

● BOOK 『欧州古都巡礼』須藤正親著   ・・・・ 須藤 正親

 西欧8カ国、60余都市 環境政策と自然食の普及状況を報告。  >> 詳しく

● BOOK 『暮らしをわが手に』冨田昌志著   ・・・・ 寺本 怜子

 自分自身の生活を問い直す有機を!生活自立の消費者学  >> 詳しく

● 達人に聞く 「旬の有機農産物」加工のすすめ⑧ 「減塩梅干し」   ・・・・ 戸谷 伊佐子

 生梅の約1割の塩分量で漬ける。今回は減塩してもカビを生やさないようにする梅干しの漬け方を紹介しましょう。

 

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>> 紹介0604

『土と健康』2006年4・5月合併号(一部紹介)

画・田島征三

遠い国のできごと

 

 10月までは「伊豆高原」のかなり高いところにいたが、

 10月に引っ越して、今は海に近いところにいる。

 上の家から植えかえたコゴミが芽をふいたから、

 「それっ」とばかり前の家の裏の空き地に飛んでいったが、

 まったく冬のまま。車で10分もかからぬ場所なのに、

 気候も植生も違う。

 前の家の庭は「モクレン」と「ヤマザクラ」。

 だから『モクレンおじさん』という絵本を

 「モクレン」と「ヤマザクラ」の実を使って創ることができた。

 また、巨大なコラージュ作品の代表作は

 「モクレン」と「ヤマザクラ」の実で創っている。

 今度の家のすぐ近くにイタブのかなり大きな木が2本もある。

 そして庭にも小さな木が1本。

 この作品は、落下した熟した実を乾かして創りました。

 「イタブ」は和名を「イヌビワ」と呼ぶらしいが、

 ビワに外見は似ていても、実感は異なる。

 この方がわかりやすい。

 ぼくは「イタブ」をイチジクの原種とみている。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 遺伝子組み換えイネの野外実験差し止め請求裁判について   ・・・・ 神山 美智子

 遺伝子組み換えイネ(GMイネ)の野外実験中止を求める訴訟を新潟地裁高田支部に提起し、2月中に法廷での弁論と会議室を使った弁論準備会が各1回が開かれた。訴訟の争点は「交雑」と「耐性菌出現」のおそれ。

● 第34回 日本有機農業研究会全国大会・総会 in 千葉県三芳村 報告特集

 2月11日、12日の両日、千葉県三芳村で第34回全国大会・総会を開きました。会場の芳村立三芳小学校体育館は満席となり、全国各地から集まった530名の参加者で満員でした。今月号は、大会報告を特集します。 >> 写真でみる三芳村大会 

○ 新しい出発へ ・・・・ 石畑 耕一郎 大会実行委員長

三芳大会は多くの有志による手作りの全国大会になりました。遠方から多くの方々に参加いただき、ありがとうございました。

○ 主催者のあいさつ(概要) ・・・・ 佐藤 喜作 理事長

 農が衰退し、食が乱れ、健康が侵されている今こそ

○ 来賓のあいさつ(概要)

 有機農業は自然と生命を守る運動 ・・・・ 堂本 暁子 千葉県知事

 野菜を軸としたすばらしい村 ・・・・ 中川 豊昭 三芳村村長

 ようこそ三芳村へ ・・・・ 川名 晴作 村議会議長

○ 第二分科会 食農教育

 土はともだち。地域まるごと先生 ・・・・ 八木 幸枝

 森の保育-生物多様性と万物共存の時空に遊ぶ子ども達-・・・・ 宮 栄樹

 体験活動と我二小の米づくり ・・・・ 岡田 和一

 たかはた共生塾の取り組み ・・・・ 渡辺 務

○ 第四分科会 新規就農

 就農に大事なことは人とのつながり ・・・・ 佐久間 清和

 「二足のわらじ」から徐々に専業へ ・・・・ 室住 圭一

 「5反あれば生活できる」の一言で百姓をめざす ・・・・ 笠原 秀樹

○ 有機農業を支えてきた人々の「想い」に励まされ ・・・・ 戸松 礼菜

● 05年11月12日 第3回 生産者・消費者交流会「特別講演」3回連載【その2】

 有機農業のための育種と採取の体系(試案)   ・・・・ 生井 兵治

 これからの育種目標の最重要課題-有機農業に適した品種育成のための七つの設問

● 佐藤喜作のキサクな話 「お寒い話 2題」  ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。文化が進み科学が発展するにつれて、基本的知識でなければならない常識が失われていくように思われてならない。

● [農場だより]のら農場  ・・・・ 白水 節二

紀伊半島山間地の小さい農場からおたよりします。 わが家では、一頭だけの牛を代々、名前をつけてペットのようにして飼っています。エサはすべて自家製でまかなっている。ちょっとスリムですが・・・。

● 各地から

 東北 農業の再生を!山形で東北集会  ・・・・ 谷口 吉光

● 種から育てよう43「金ごま」 ・・・・ 園山 国光

 霧島高原で金ごまを作り続けております。ピンクを帯びたうす紫の花が若葉と混じり合って広く波打っている様は、とても天国的です。すでに帰天された、本県大口市の平木場一美氏の遺品とも言えるものです。すなおに伸びて、実付きも良く、本当に金色をした実が、たくさん稔ってくれます。このごまを園山さんが説明します。

● 第34回日本有機農業研究会・通常総会資料 ・・・・ 総務部

● 第34回総会報告 結成趣意書の原点に立ち戻り、有機農業を広めよう ・・・・ 総務部

 

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>> 紹介0603

『土と健康』2006年3月号(一部紹介)

画・田島征三

表紙のことば

 

 もうじき芽ぶきの季節が伊豆半島に来ます。

 ベランダのコナラの幹から

 芽が出ていたのにはおどろき!

 北国の人にはもうしわけない気持ちです

 春はいいですよね。早くこい!

 

田島征三

ホームページアドレス

http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 全国大会を成功裡に終えることができました

未来への道標となるメッセージを発信

  ・・・・ 八木 直樹

 ご協力いただいた多くの方々に心から感謝!

● 大会アピール

農の原点から未来を見つめる

● 私の発言 水俣に産業廃棄物処分場はいらない  ・・・・ 大沢 忠夫

 水俣病公式確認から50年目に再び環境汚染の危機

● 05年11月12日 第3回 生産者・消費者交流会「特別講演」3回連載【その1】

 有機農業のための育種と採取の体系(試案)  ・・・・ 生井 兵治

 「あご・ほっぺ理論」から遺伝子組み換えイネを考えると、現在の遺伝子組み換え技術にはいろいろ問題があることを、お話します。

● 佐藤喜作のキサクな話 「カチャマ(あべこべ)」

  ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。今日では遅寝遅起きで、昼と夜がカチャマになってしまった。昼夜明るいということが、自然界に許されることであろうか。

● 鳥インフルエンザとワクチン  ・・・・ 喜田 宏

 家禽の感染を早期に摘発することによって家禽の被害を最小限にくい止めるとともに、人の健康と食の安全を守る。これが鳥インフルエンザ対策の基本である。

● 各地から

 北関東 ヘリコプターの飛ばない夏  ・・・・ 舘野 廣幸

 南関東 長野県有機農業研究会大会報告  ・・・・ 瀧沢 郁雄

 九州 食育の風を長崎から  ・・・・ 岸川 しずか

 カナダ ファームステイ募集  ・・・・ 菅波 任

● はと麦と玄米の炊き方  ・・・・ 山崎 久枝

 何かの折に、はと麦をつくって玄米ご飯に入れて食べたいと思い、さっそく農家の方に種をいただいて、一区画に蒔いてみました。

● 熱き心くん              ・・・・ 西田 陽子

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、西田陽子さんです。10年ほどの環境NGO活動の中で、「農業こそ自然や環境に最も近い仕事なのだ」と気づくに至りました。昨年から有機無農薬・露地栽培で農業をはじめました。少しずつ、エネルギーの自給を含めて、小さな「循環型のくらし」を築いていきたいと考えています。

● [農場だより]のら農場  ・・・・ 白水 節二

 20数年前、先達。耕人舎の「スモール・イズ・ビューティフル」の合言葉に乗ってはじめた有機農業。子育てが終わった今も、妻と2人での野菜・卵の海辺の町への引き売りと、グループでの直売を続けいています。

● 種から育てよう42「花嫁あずき」 ・・・・ 丹野 喜三郎

 当地で花嫁あずきと呼ばれているものがあります。岩手、宮城、福島の一部地方で古い時代から栽培されてきました。しかし今、種を育てることもなく、消えようとしています。美しい小豆で、皮も薄く、あんも良くできる美味な品種で、大切にしたいものです。この小豆を丹野さんが説明します。

● 新潟・遺伝子組み換えイネ訴訟、第1回口頭弁論の報告  ・・・・ 安田 節子

 新潟地裁高田支部で2月2日、北陸研究センターによる遺伝子組み換えイネの裁判差止めと損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論がありました。裁判のホームページ http://ine-saiban.com

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ⑦

 ―干しタケノコ  ・・・・ 渕上 ツタ

 タケノコといえば掘りたての新鮮なものをいただくのが一番!でも一度にたくさん手に入ったときはどうしていますか?そこでおすすめしたいのが干しタケノコです。太陽の恵みを受けて、うまみが凝縮。この春、試してみませんか?  

● BOOK 『新木炭・竹炭大百貨 食育と炭やき』池嶋庸元著   ・・・・ 池嶋 庸元

 ご好評を博している炭焼の知識・技術、関連製品の最新情報に加え、新しく食育関連の知識・情報と安全、安心の食材・食品とその製造・販売元の紹介紙面を新設した。  >> 詳しく

● BOOK 『フィリピンバナナのその後』中村洋子著  ・・・・ 久保田 裕子

 多国籍企業の横暴とその規制問題、農薬問題などを改めて今も続く課題として問題提起する。力のこもった好著である。  >> 詳しく

● BOOK 『脳疾患化学研究研究所報告書』西田雄三著  ・・・・ 久保田 裕子

 BSEの根本原因とうつ病・キレル子供たちに共通する因子を科学的に解明。  >> 詳しく

 

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>> 紹介0601

『土と健康』2006年1・2月合併号(一部紹介)

画・田島征三

表紙のことば

 

 新年おめでとうございます。

 今年は夏の高知県美術館展(06年7月29日~9月18日)のために、木の実ですごい作品を創ろうと思っています。木の実は、かわかしてカラカラにしても、元は生きていた動物の一部「生命の記憶」(伊豆半島の女王、宮迫千鶴サマ命名)を持っています。

 ぼくは作品を創るとき、どのように創ればよいか、木の実たちにたずねながら創っています。ぼくの意思による制作ではなく、木の実の考えで作品が出来上がってゆく。作品から田島征三というものを抜き去る制作方法です。ぼくの作品であって、ぼくの作品でない。けれどぼくの作品なんだろうね。

 昨年十月からはホームページを立ち上げました。是非、のぞいてみてください。

 

田島征三

ホームページアドレス

http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 巻頭言 原点からの出発

 ―生産と消費は生き方―         ・・・・ 佐藤 喜作

 年頭挨拶 日本有機農業研究会の活動は世直し運動

● 私の発言 日本の伝統食のよさを見直そう  ・・・・ 島田 彰夫

 欧米化の問題点から、日本人の食生にあった食生活を見直す。

● 私の発言 百姓からのまなざし

 ―百姓の思想・哲学を「百姓学」に!『国民のための百姓学』(家の光協会)  ・・・・ 宇根 豊

 あたりまえの現象についての質問に、自覚的に答えることができるのは、百姓だけではないでしょうか。これを明らかにする知恵を「百姓学」にみる。

● いつまでもあると思うな親とコメ

 ―安全農産供給センター設立30周年記念シンポジウム―  ・・・・ 槌田 劭

 「いつまで、日本の米は食べられるのか」が話題に上った。シンポジウムでの議論を踏まえた紹介。

● 第5回 食と農 市民セミナー 針塚さんの「漬物教室」と「秘伝の土づくり」見学  ・・・・ 伊藤 康江

 針塚農産の漬物工場での「糠漬けタクアン作り実習」と「畑の見学」です。全国から生産者、消費者総勢33人が参加しました。

・参加者の感想

 それぞれのタクアンを食べ比べてみたい  ・・・・ 富山 幹司

 先人の知恵の偉大さを学ぶ  ・・・・ 小泉 和弘

 「農」を核とした幸せな人生のお手本  ・・・・ 井村 祥子

● 「新潟のコメを遺伝子汚染から守ろう全国集会」報告 約30万の署名を県庁に提出  ・・・・ 安田 節子

 05年11月22日、新潟市の県教職員組合会館で開催されたGMイネの野外実験の中止を求めた全国集会の報告。

● 追悼 手塚直子さんといっしょに  ・・・・ 橋本 明子

 日本有機農業研究会や提携米ネットワークの理事として活動してきた手塚さんの追悼記。

● 佐藤喜作のキサクな話 「わら仕事」  ・・・・ 佐藤 喜作

 今号から当会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。雪に埋もれるみちのくの秋田には、藁細工の仕事がある。

● 第3回生産者・消費者交流会&種苗交換会報告

 東京・高輪の国民生活センターで開催した3回目の参加者は約130名。ホームページを見て福島から駆けつけた女性、静岡から種を持って3人で参加した若者など、若い初参加者も目立った、うれしい会になりました。

・参加者の感想

 星寛治さんの著書で有機農業に惹かれて  ・・・・ 橋本 温子

 消費者の理解を得る絶好の機会  ・・・・ 小山 茂朗

● 各地から

 北関東 八郷の提携スタイルは多種多様  ・・・・ 堀口 英之

 南関東 農閑期は酒造り  ・・・・ 友野 重雄

 九州 認証制度の意味を考え続けた一年  ・・・・ 大和田 明江

● [農場だより]滝の里農場  ・・・・ 大塚 一吉

 群馬県高崎市の有機農場「滝の里農場」から。籾殻を使ったバランスのいい堆肥づくりから、グローバル化の対極にある有機農業運動まで。

● 第34回 日本有機農業研究会全国大会・総会のご案内

 2006年2月11日(土)と12日(日)に千葉県安房郡三芳村で開催される日本有機農業研究会全国大会のお知らせです。

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● 達人に聞く 「旬の有機農産物」加工のすすめ⑥ 「自家用納豆」  ・・・・ 林 初枝

 収穫仕立ての大豆で、納豆づくりはいかがですか?

● 熱き心くん  ・・・・ 稲田 健

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、稲田健さんです。栃木県の「帰農志塾」を卒業し、昨年の1月、ついに就農。「自然農で私なりの農業と生き方を模索しながら思いっきりやっていきます。」

● 種から育てよう 41 「緑米、黒米、赤米」  ・・・・ 相原農場

 これらの米は一般的に古代米と呼ばれ、白米に比べて、ビタミンやミネラルを多く含むといわれています。ボン菓子やポン煎餅にも利用しています。

● 春夏播き種子をお分けします―種子の提供にもご協力を  ・・・・ 種苗ネットワーク事務局・種苗部

 自家採取をしている方からご提供いただいて、本会種苗部と種苗ネットワークが冷凍保存している種子の一部を、種苗ネットワークの利用登録者にお分けします。

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>> 紹介0512

『土と健康』2005年12月号(一部紹介)

画・田島征三

表紙のことば

 

 これは今年の4月10日、阿佐ヶ谷駅南口でひろった木の実だ。この時期、「練馬区立美術館」でおおがかりな展覧会を開かせてもらっていたので、よく阿佐ヶ谷駅を利用していた。練馬区立美術館にゆくのには、阿佐ヶ谷駅からバスが便利だったからね。阿佐ヶ谷駅南口を歩いていると、突然バラバラと木の実が落ちてきた。まるで雹(ひょう)か霰(あられ)のように。ひろいあげてみると、なかなか面白い表情をした実だ。果柄も、くりくりとちぢれたようになっているものもあり、すばらしい。

 すぐひろいはじめた。同行していた人たちもひろってくれて、またたくまに大量の実があつまった。みあげてみるとヒマラヤスギかモミの木の一種のような大木だ。多分その後も、また次の日も、この大木は大量に木の実を降らせたにちがいない。

 でもぼくは、ひろいにゆけなかった。なんだかつかれて、ボーとし、練馬区立美術館のバスの中でサイフをなくしたりしたのだった。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 三芳村という農業の生産現場を見てほしい  ・・・・ 中川 豊昭

 有機農業に挑戦し続ける三芳村。村長さんの思いが詰まっています。三芳村へ Let's go!!

● 農の原点から未来を見つめる ―第34回日本有機農業研究会全国大会に向けて―  

  ・有機農業に生きて  ・・・・ 和田 博之

  ・「三芳村」と出会った人たち ・・・・ 小笠原 有美香、舩戸 修一、谷川 拓也

 日本の有機農業運動の出発点の一つとして全国に知られる千葉県三芳村。生産者の一人である和田さんの有機農業に対する姿勢と思い。また、三芳村と出会った3人 それぞれの三芳村への思い。

● 第34回 日本有機農業研究会全国大会・総会のご案内

 2006年2月11日(土)と12日(日)に千葉県安房郡三芳村で開催される日本有機農業研究会全国大会のお知らせです。

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● 2005年日本有機農業研究会 夏季セミナー報告

食べ方改革と有機農業で日本はどこまで食料自給できるか       ・・・・ 真下 俊樹

 「食べ方」(需要面)にまで踏み込んで食料需給のあり方を考え直し、有機農業で日本の食糧は確保できるかを、「日本人の栄養所要量」と「食料需給表」に基づき試算

● 抗菌たんぱく質を作る組換えイネがもたらす大きな危険性

 ―人類の滅亡にもつながりかねない耐性菌の問題―         ・・・・ 金川 貴博

 ディフェンシン耐性菌がもたらす恐怖 ― ディフェンシンの役割と耐性菌の出現について解説。

● 熱き心くん              ・・・・ 瀬戸山 譲一

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、瀬戸山譲一さんです。本業は建設業、もともと兼業農家ですが、農業法人を立ち上げた。生き物豊かな生物資源型稲作に傾倒し、4年前から実践。

● 鳥インフルエンザに細心の注意を!

 事実確認に努め、冷静な危機感をもとう  ・・・・ 魚住 道郎

 ヒトへの感染はすでに起きている。11月の報道によると感染131人中68人が死亡。家畜・家禽の健康と同時に自身の健康確保にも努めよう。

● 第15回IFOAM世界大会に参加して  

  ・「有機農業の原則原理」の大幅な見直しなど大きな節目となった大会  ・・・・ 澤登 早苗

  ・“社会正義”からみた「提携」運動をアピール           ・・・・ 久保田 裕子

 9月下旬、早春のオーストラリアのアデレードで開催された第15回IFOAM世界大会レポート。

● 種から育てよう 40 「小麦 アオバ」  ・・・・ 林 重孝

 日本では珍しい強力粉。中力に近い。パンに向いるが我が家では薄力と同様にうどん用や天ぷら粉としても利用。この小麦を林さんが説明します。

● 行ってきました「地雷博物館」  ・・・・ 伊藤 康江

 本誌26ページBOOKで紹介の「アキラの地雷博物館とこどもたち」の現地体験談。

● [農場だより]滝の里農場  ・・・・ 大塚 一吉

 群馬県高崎市の有機農場「滝の里農場」から。厳しくなる有機農業の現状から群馬産小麦の危機的状況について報告します。

● 佐藤喜作のキサクな話 「くらしの基は家」  ・・・・ 佐藤 喜作

 今号から当会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。生まれるのが家であれば、死ぬのも家。生きる原点が「家」であった。

● BOOK 『アキラの地雷博物館とこどもたち』アキ・ラー編著   ・・・・ 多辺田 政弘

 カンボジアで一人で「2万個」もの地雷を処理しながら、アンコールワットのそばの自宅に「地雷博物館」を作り、地雷で手足を奪われた子供たちを育てているアキラという名のカンボジア人の壮絶な半生の自伝。  >> 詳しく

 

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>> 紹介0511

『土と健康』2005年11月号(一部紹介)

写真・田島征三

表紙のことば

 

 秋といっても、まだドングリがみどりの実をつけているころ、ちょっきり虫は、コナラやクヌギのドングリをつけた小枝をチョッキリと切り落とす。

 なぜそんなことをするのか?昆虫学者にも解からないそうだ。落ちてきたコナラの小枝の葉だけちぎりとって、枝つきみどりドングリを、森の中の枯木につきさしてみようということを思いついた。

 北米にドングリキツツキという鳥がいて、枯木に小さな穴をあけ、ひろってきたドングリをひとつずつ穴にうめこんでゆく。冬の貯蔵庫だが、なかなかのアート作品だ。もっとも、あんまり目立つので、ほかの動物に盗み食いされてしまうのだが・・・。

 ぼくは、ドングリキツツキのまねをして、日本の森の枯木に、ちょっきり虫とコラボレーションして、ドングリキツツキからアイデアを盗み、みどりのドングリプロジェクトを立ち上げた。今年は、1mの枯木に1000本のみどりのドングリの枝をさしたが、来年はもっとたくさん集めて(全国の協力者に助けてもらって)、10万本くらいを6mほどの枯木に、びっしりつきたてようと思っている。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 遺伝子組換え作物との共存は可能か  ・・・・ 生井 兵治

 花粉飛散による集団間の自然交雑の可能性。時間的、物理的、「定説」の問題を明確にする。

● 農業と環境を考えるフォーラム

 ・有機農業推進へようやく動き出した島根県 ・・・・ 井口 隆史

 05年10月15日、16日に島根県で有機農業研究大会&農業と環境のフェスタが開催された。その紹介と今後の方向報告です。

● 国内・地域自給と「提携」、環境によい有機農業の進展をめざして

有機農業推進法の制定運動を進めよう  ・・・・ 久保田 裕子

 有機農業推進法試案には、これまでの本会の主張や活動が採り入れられています。この本試案全文、およびその解説、参考資料(有機基準GM禁止が世界の常識、EU25カ国の有機農業実施面積率の推移等)を一冊にとりまとめた「有機農業推進法試案」(B5判 36ページ、日本有機農業学会発行)が発行されています。日本有機農業学会ホームページアドレス

http://homepage.mac.com/yuki_gakkai/

● 鳥インフルエンザに対する私たちの見解

 ―大規模近代養鶏の考えを是とする対応に疑問― ・・・・ 鈴木 文樹

 「開放型の鶏舎は感染しやすく危険」というのは、大規模な近代養鶏の考えを前提にした偏見である。県の殺処分の判断に対する疑問。

● 熱き心くん  ・・・・ 河内 賢一

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、河内賢一さんです。北海道の畜産大学に進学し、酪農家でアルバイト。大学卒業後、神奈川県愛川長で酪農ヘルパーとして働く傍ら、神奈川県厚木市の自宅に、念願の乳製品工房「牧歌」を始めました。自家製の牛乳、ヨーグルト、チーズの製造販売をしています。

● 食を見直そう

 知っておきたい砂糖の害  ・・・・ 山田 勝巳

 砂糖が招く低血糖症、カルシウムが使われる砂糖の代謝、病気につながる砂糖中毒、・・・自然な食べ物を食べよう!

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ⑤

 カボチャの茶巾しぼり&パンケーキ  ・・・・ 中屋敷 重子

 家庭菜園で取れたカボチャ、一年を通して食べられるように蒸して裏ごし又はマッシャーで潰して冷凍保存しています。解凍してすり下ろしたリンゴを加えて、水分を飛ばしながら練り上げておくと、茶巾しぼり、パンケーキ、クッキー、カップケーキなどに使えて便利です。また、スープや団子汁には解凍してそのまま使えます。

● [農場だより]畑に吹く風  ・・・・ 瀧沢 郁雄

 前号に引き続き米・野菜とともに消費者に届けている通信「畑に吹く風」からの抜粋です。「有機農業」という言葉が世間に広く認知されている今日だからこそ、あえて「有機」という言葉は使わずに、田んぼや畑そのものを媒体に、僕が表現したいことは・・・。

● 種から育てよう 39 「大豆 小糸」  ・・・・ 林 重孝

 味の良さが最大の特徴。枝豆、煮豆、味噌、醤油など何にでも向きます。君津市の小糸地区で作られていた大豆です。この大豆を林さんが説明します。

● 佐藤喜作のキサクな話 「農民も海とともに生きていた」

  ・・・・ 佐藤 喜作

class=kaisetu> 今号から当会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。秋田音頭、最初に出てくる名物は「鰰(はたはた)」漁獲期は、漁師だけでは漁をこなすことができないから、農民も漁師になった。戦後、漁獲権が設定され、農民はその鰰株を失うことになる。

● 第34回全国大会in三芳村 大会実行委員会通信④  ・・・・ 笠森 享子

 千葉県を有機農業県、健康・環境先進県に

 >> 大会のご案内

● 農の現場から戦争と平和を考える  ・・・・ 八木 直樹

class=kaisetu> 平和を守るための国内自給、国際流通体制と戦争の関係といった視点で語ることも、必要ではないでしょうか。

● 第5回 食と農 市民セミナー(全5回)のご案内

 針塚さんの麹浅漬けづくり教室&秘伝の土づくり見学  

 

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>> 紹介0510

『土と健康』2005年10月号(一部紹介)

画・田島征三

表紙のことば

 

 ヤマボウシの実は、ボンボリみたいに美しいから、一度、色のあるうちに作品にしたかった。近くの郵便局に5本の木が並んでいて、季節にはたくさんおちる。

 9月上旬から中旬、ひろっていると、局の人が

 「踏むとぐちゃぐちゃときたならしいから、ひろってくれるとありがたいです」

 といってくれる。

 黒くなった実も、なかなかおもしろいのでオブジェとして作品にしている。

 赤い実の作品は、青系統の色彩の上においてみたくて苔の上でも撮影した。

 でも、やはり海にゆこうと、浜辺で撮った作品はかなり気にいったものになった。

 来年はもっと大がかりな作品を作ろうとしている。

 

田島征三

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今月の記事から

 

● 私の発言 食品中カドミウムの基準値設定をめぐって

  ・・・・ 小野塚 春吉

 カドミウムの国際基準設定をめぐる状況。対策の実施を汚染原因者に求める運動を!

● 2005年 夏の有機農業見学会in恵那 8月20日~21日

有機農業と自然農―それぞれの生き方を学ぶ―  ・・・・ 清水 彰浩

 岐阜県恵那市で有機農業をされている林豊敏さんの農場と、自然農をされている佐藤敦巳の佐藤自然農園を見学しました。

● 全国幹事会が開催されました  ・・・・ 今井 優子

 第35期全国幹事会が8月30日、31日、東京・国立オリンピック記念青少年センターで開催された審議結果をまとめました。

● グアテマラとニカラグアのカンペシーノ運動

 ―キューバだけではない中米の有機農業革命―  ・・・・ 吉田 太郎

 中米各国でも、いま静かに有機農業革命が進行している。日本ではあまり話題にされない中米の有機農業運動を紹介する。

● GMイネ野外実験の差し止め裁判から見えたもの

 ―交雑防止のお粗末さと耐性菌出現の危険性―  ・・・・ 安田 節子

 北陸研究センターの野外栽培実験差し止め裁判の争点。

● 日本モンサント遺伝子組み換え隔離圃場の見学 「隔離」とは名ばかりだった

 ―利根川流域の農業地帯に汚染の懸念―  ・・・・ 橋本 明子

 日本モンサントの隔離圃場を見学報告。その実態は・・・。

● 江戸時代の農書を読む

 第2回 大蔵永常著「広益国産考」  ・・・・ 川上 和男

 広益国産考」の中ではたくさんのものが紹介されていますが、有機生活に役立ちそうなものを選んで紹介します。

● 熱き心くん              ・・・・ 飯田 恒司

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、飯田恒司さんです。八郷で有機農業を始めて5年目。農業とはまったく違う仕事や世界各地での旅の生活を経てスタートさせた。心のどこかでずっとこのような自給的な暮らしのできる場所を探し続けていたように思う。

● 種から育てよう38「えんどう豆 グリーンピース」 ・・・・ 久野 健一

 自家採種を続けて30年以上になるえんどう豆です。とりごろのさやは、少し白っぽい緑色をしています。このえんどう豆を久野さんが説明します。

● [農場だより]畑に吹く風  ・・・・ 瀧沢 郁雄

 田んぼ3反、畑1町2反ほどを耕作し、育った作物を毎週40軒の提携先の個人に届けています。消費者へ向けて毎月書いている通信「畑に吹く風」の抜粋です。

● 東京から色川へ入植して15年  ・・・・ 齋藤 真弓

 水田祐助氏の「あめんぼ通信3号」の「ふるさと色川」を読ませていただいた。そして、改めて自分にとって色川とは何なのかを考えてみた。

● 鯉淵学園 環境保全型農作物にこだわった直売所「農の詩」の試み  ・・・・ 涌井 義郎

 鯉淵学園農業栄養専門学校では、今秋9月19日に、農産物直売所「農の詩」を校内にオープンしました。国産有機農産物の店舗販売モデルを作る試みです。

● 雨水東京国際会議に参加して 「水からみた農業近代化の問題点と有機農業の可能性」

―スローウオーターの提唱―  ・・・・ 舘野 廣幸

 スローウオーターは、水の小さな地域循環を大切にしようとするものです。都会の水危機、農業近代化の問題点。世界一の豊かな日本が、農作物を通して世界一水を輸入している。

● 第34回全国大会in三芳村 大会実行委員会通信③  ・・・・ 若島 礼子

 「生産者との顔の見える関係」は流通問題だけではなく、私たちに、それまで気づかなかった社会問題、政治問題、環境問題に気づかせます。「安全な食べ物を作って食べる会」は、1973年以降食と脳の問題に取り組み、三芳村生産グループを軸とした生産者との提携運動を実践してきました。

 >> 大会のご案内

● BOOK 『食・農・環境の経済学』河野直践著   ・・・・ 河野 直践

 有機農業者の先見性から、「主流派」の農政官僚や農業経済学者の愚かさ、原子力施設の立地と地域農業、巨大アグリビジネスへの警鐘など、事例も豊富な内容となっています。  >> 詳しく

● BOOK 『今関さんちの自給自足的生活入門』今関知良著  ・・・・ 今関 知良

 食べ物の自給ということは、ただ「自分たちで作って自分たちで食べる」ということ以上の内容を含んでいることに気がついた。自給の系譜をひも解いていく・・・、今関さんを取りまく環境から、レシピまで。みなさんのお役に立つ本だと思います。  >> 詳しく

● 佐藤喜作のキサクな話 「見直そう!手ぬぐいのマルチな機能」

  ・・・・ 佐藤 喜作

 今号から当会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。手ぬぐいにはタオルやハンカチにはない優れた機能がある。最近ではハイカラな柄の手ぬぐいまであるらしい。

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ④

 ―あんこ餅&玄米餅 切り干し大根のハリハリ漬け ・・・・ 園山 揖子

 何かにつけ、いつも母がつくってきた小豆あん入りの餅は、みんなに喜ばれてきました。秋といえばカラ芋(さつま芋)です。このお餅は、ガワ(皮)にカラ芋を入れるのがミソです。  

 

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>> 紹介0508

『土と健康』2005年8・9月合併号(一部紹介)

画・田島征三

 これはモクレンの蕾のカラです

 

 モクレンの蕾は花が散ったあと、すぐ散った花とは別の枝の先に準備されます。したがってモクレンの蕾は3月の終わりから翌年の3月初めまで、約1年間枝の先端に座っているのです。

 だから春先の温かい風、夏の強い陽ざし、秋風、寒風。いろんなことを経験するのです。カラはそれらの季節、外気から蕾を守るためにつくられるのかと思われます。蕾は日々大きくふくらんでゆきます。だから昆虫が脱皮するように、その季節、季節にカラを落とします。そのカラは風で飛んでいってしまうことが多いのですが、ぼくは大量にひろって確保しております。

 来年の夏、高知県立美術館で田島征彦(ゆきひこ)と兄弟展のため、このカラで作品をつくろうと思っています。

 4年間かけた『モクレンおじさん』は福音館書店から7月に出版されました。

 

田島征三


今月の記事から

 

● 私の発言 「遺伝子組み換え技術」は「有機農業」とは相容れない   ・・・・ 鶴巻 義夫

 地元の反対を無視して北陸研究センターは、「国の施策に文句はいわせない」と遺伝子組み換えイネの屋外栽培を強行した。地元新潟の有機農家・鶴巻さんは「近代化農業の弊害を反省し、本来あるべき農業をめざしてきた有機農業運動は「遺伝子組み換え」問題で大きな岐路に立っている」と主張します。

● 組み換え稲差し止め訴訟―被告側が本会有機基準を「組み換え許容」と「有機農業に関する基礎基準2000」を証拠とすることへの抗議と取り下げ要求    ・・・・ 安田 節子

 新潟で強行された遺伝子組み換えイネの作付差し止め仮処分裁判で、北陸研究センター側は、証拠の一つに本会の『有機農業に関する基礎基準』の記述の一部をつまみ食いして「遺伝子組換えに反対の立場を取るグループですら、遺伝子組換え技術を用いることを許容している」と強弁。当会は抗議と取り下げを要求しました。

● 〈資料〉有機農業における遺伝子組み換え技術の取り扱い

 日本や欧米の有機認証基準は、遺伝子組み換え技術の取り扱いをどのように規定しているか。

● 2004年度・遺伝子組み換え作物自生の実態調査報告集の案内

 ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネットは、遺伝子組み換えナタネの自生の実態調査をまとめた報告書を公表しました。この調査は、2004年7月末から2005年4月3日までのナタネ輸入港を中心に行われました。

● 「たねとりくらぶ」のつどい(第7回全国種苗研修会)     ・・・・ 堀 純司

 7月9・10日の2日間、「在来種保存の輪を広げ、交流を深めよう」をテーマに、神戸で「たねとりくらぶのつどい」(第7回全国種苗研修会)が開かれました。2つの基調講演「「消えていく在来種を守り続けて」(木俣美樹男氏)、「伝統野菜の自家採種技術について」(船越建明氏、広島県農業ジーンバンク)、分科会の報告です。

● 「狂牛病」が問いかけるもの(下)  ・・・・ 福岡 伸一

 2005年 食と農市民セミナーの第1回の講演会の記録です。前号に引き続いて「狂牛病」が問いかけるもの ―なぜ、人間は食べ続けなければならないか― と題して福岡伸一さん(青山学院大学理工学部 化学・生命科学教授)が、分子生物学から見たBSE発生のメカニズムを解きます。日本の「狂牛病」対策の現状とアメリカの実態、消費者だけに追わされる「狂牛病」のリスクのからくりについても解き明かしました。

● 有機農業推進法(仮称)の制定をめぐって   ・・・・ 林 重孝

 日本有機農業学会の公開フォーラムが7月25日に開かれました。有機農家の立場から当会の林理事が、こぼれ落ちた遺伝子組み換えナタネの自生による遺伝子汚染、有機農業に適した品種改良の方法などを主張しました。

● 食と農市民セミナー第2回  有機野菜をおしゃれに食べよう ~フランス風~   ・・・・ 今井 優子

 「食と農市民セミナー」の第2回は「有機野菜をおしゃれに食べよう ~フランス風~」と題し、玉川高島屋SCのレストランで開催しました。「ワインは雨水」という島田シェフのお話です。

● シュマイザーさんの再来日講演・北海道のGM作物栽培規制条例づくりを支援    ・・・・ 市村 忠文

 モンサント社と闘うカナダの老農シュマイザーさんが再来日しました。シュマイザーさんは自らの経験を踏まえて遺伝子組み換え作物の問題を指摘し、「一度、GMの導入を許すと、もう後戻りが出来なくなる恐ろしい道だ」と強調しました。

● [農場だより]べじたぶる・はーつ3  ・・・・ 尾崎 零

 「今までの30年がこれからの30年を保障するものではない。30年前のコンセプトが今でも通用するかどうか。多くの人が正しいと認めても、それが支持され拡がっていくとは限らない。生産者にとって、有機農業を実践することの意味はナニか」、21世紀の有機農業とは何か。

● BOOK『三芳野菜』    ・・・・ 戸谷 委代

 三芳村と「安全に食べ物をつくって食べる会」の提携30年誌。「三芳野菜」とブランドを主張する生産者と都市住民の30年の歴史と現在を当事者がまとめたものです。

● 種から育てよう 37 「のらぼう菜」   ・・・・ 脇田 利雄

 のらぼう菜は、アブラナ科のかき菜の一種で、寒さに強く栽培が簡単。どんな料理にも合って、しかもおいしいという秩父・多摩地域の伝統野菜です。春になると、成長とともに側芽が出てくるので、それを順次折り取って収穫し、調理して食べます。こののらぼう菜のタネ採りのコツを神奈川県の脇田さんが説明します。(この脇田さんのタネ採りした種子を、種苗ネットワークで頒布しています。)

● 佐藤喜作のキサクな話    ・・・・ 佐藤 喜作

 今月は「三つ子の魂は「食」が育む?」と題して、子どもの食事の話です。バランスのいい食事=「まごはやさしい」って?。

● 「提携」浅井まり子さんに聞く   ・・・・ 安田 節子

 神奈川県藤沢市で30年以上「提携」に携わってこられた浅井まり子さんにお聞きしました。時代とともに変る「提携」とは。

● 江戸時代の農書を読む 第1回 大蔵永常著 『広益国産考』(上)  ・・・・ 川上 和男

 有機生活に有用な江戸時代の知恵を学ぼうと「農書を読む会」が神奈川で始まりました。江戸三大農学者の一人で、農業ジャーナリストともいうべき大蔵永常の著書は、各地で見聞きしたことを平易な本に著し、明治時代まで農民の参考書とされました。まず『広益国産考』を読むことから始めました。

● 第34回全国大会 in 三芳村 大会実行委員会通信 2   ・・・・ 渡辺 和彦

 来春の大会を前に三芳村を紹介します。

● [達人に聞く]「旬の有機農産物」加工のすすめ③

   「キュウリのあっさり醤油づけ&ウリの粕づけ」   ・・・・ 和田 八重子

 野菜が取れすぎて困ったときのお助け保存法、「キュウリのあっさり醤油づけ」と「ウリの粕づけ」を紹介します。

● ニュースクリップ

 農業に関連する国際情報、国内情報を簡潔にまとめました。

 

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『土と健康』2005年7月号(一部紹介)

画・田島征三

表紙のことば

 

 今年の4・5月合併号のこの欄に「実」と「種」について書いた。僕が作品に使用する実のほとんどは未成熟で落下したものであることも書いた。今回の表紙で使ったものは正に「種」であり、成熟している。森の中の湿った場所に撒いてあげたら、発芽する可能性のあるウバユリの種だ。

 僕は数年前からウバユリの花のあとにできる実の乾いたドライフラワーのようになったものを集めている。その中にはこのように美しい種がうすいオブラート状の膜の中にしまわれていて、ほとんどが谷風に乗って飛び立つのだが、たまにまだかたい実の中に残っていることがある。それを並べてみた。固定はされてはいない。並べただけだ。

 撮影後、元の森の中へ返したあげるつもりだ。

 

田島征三


今月の記事から

 

● 私の発言 BSE対策のあるべき姿   ・・・・ 山内 一也

 アメリカ産牛肉輸入再開が瀬戸際まで来ています。食品安全委員会プリオン専門調査会は「官僚に利用された」と断じた山内一也さんが、BSE対策のあるべき姿を簡潔に解きます。

● 「狂牛病」が問いかけるもの(上)  ・・・・ 福岡 伸一

 2005年 食と農市民セミナーの第1回の講演会の記録です。「狂牛病」が問いかけるもの ―なぜ、人間は食べ続けなければならないか― と題して福岡伸一さん(青山学院大学理工学部 化学・生命科学教授)が、分子生物学から見たBSE発生のメカニズムを解きます。福岡さんは、あえて「狂牛病」と言い、「人災」とも断じます。目からうろこの「消化」と食物の関係も。

● 新しい扉を開く福岡県有機農業研究会 ―25周年記念シンポジウム報告―   ・・・・ 佐藤 剛史

 福岡県の“有機農業御三家”(宇根豊氏、八尋幸隆氏、古野隆雄氏)らによるパネルディスカッションに立ち見まで出る盛況でした。合鴨農法や環境直接支払制度を生み出した福岡県の有機農業の次の段階を目指します。

● 米どころで強行されたGMイネの田植え   ・・・・ 倉形 正則

 中央農業研究センター北陸研究センター(新潟県上越市)で「抗菌性」遺伝子組み換えイネの田植えが強行されました。実験場に隣接する農家や上越市、新潟県の反対を押し切っての栽培強行についての報告です。(6月24日、「新潟GMイネ田植え差し止め仮処分」を求めて新潟地裁に提訴されました。詳しくは、弁護団公式サイト「GMイネNG」http://gmine.seesaa.net/ へ。)

● 土壌微生物と作物(下) ―有機栽培の基礎技術―    ・・・・ 西尾 道徳

 昨年11月の「第2回生産者・消費者交流会」での西尾先生の講演記録。3回連載の第3回です。作物が直接に有機物を吸収する実際とその仕組みを、いろいろな例を引き解説しています。

● 種から育てよう 36 「横川つばめ大根」   ・・・・ 岩﨑 政利

 少し赤みを帯びた短根種の「横川つばめ大根」。厳寒期には、葉が紫色を帯びてきます。有機物を減らした「減有機物農法」にも向いた鹿児島原産のこの大根を、岩﨑さんが説明します。

● 秋播き種子をお分けします   ・・・・ 種苗ネットワーク

 日本有機農業研究会・種苗ネットワークによる秋播き種子のご紹介です。今回は36種を頒布提供します。おすすめ品種は、「赤そらまめ」、「九条太ねぎ」、「のらぼう」、「福立菜」の4種類です。

 詳しくは、種苗ネットワークのページへ。

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● 足立区都市農業公園便り  ・・・・ 有機農業サポート室・明石 誠一

 日本有機農業研究会・有機農業サポート室では2004年4月より、東京都足立区の委託を受けて、有機農業による足立区都市農業公園内の田畑の管理を指導しています。有機農業サポート室の今月のレポートは、6月11日に行われたサツマイモ体験教室の模様を報告します。サツマイモの苗取り、畝つくり、植え付けと、「自分で植えたものを食べる」体験の第1歩です。

 >> 詳しく 

● 熱き心くん   ・・・・ 長坂 豊

 今月の新規就農レポート「熱き心くん」は、「知識は豊富、経験はゼロの定年帰農」長坂さんです。定年、その翌日には和歌山県那智勝浦の口色川へと向かい新規就農しました。田植えで突き指するような山間地農業からのレポートです。

● [ひろば] 農村民泊と有機栽培   ・・・・ 舩戸 修一

 「安心院」は「あじむ」と読みます。大分県安心院町では、1997年から全国に先駆けて「グリーンツーリズム取り組み宣言」を行い、地域全体で「農村民泊」に取り組んでいます。農村民泊が支える有機栽培についての報告です。

● 佐藤喜作のキサクな話 ご存知? 精米剤と炊飯添加物   ・・・・ 佐藤 喜作

 乳白色の液体精米剤をかけた古米を精米すると、あら不思議、新米に変身。そのなぞは....

● 第34回全国大会 in 三芳村 大会実行委員会通信①

 第34回日本有機農業研究会全国大会・総会の会場に決まった千葉県三芳村の大会実行委員会からの報告です。

● [農場だより]べじたぶる・はーつ  ・・・・ 尾崎 零

 大阪府能勢町の有機農場「べじたぶる・はーつ」から。産消提携の「食の提携」から「農の提携」へとシフトさせた背景を報告します。畑の面積を減らしても専業で喰っていけるか「規模縮小路線」の実験も。

● BOOK 『健康の輪』 G・T・レンチ著・山田勝巳訳  ・・・・ 八竹 昭夫

 なぜフンザの人たちは健康なのか? 評者は「本書は、いまこそわたしたち文明人と思っている者の反省の生き証人の書と信じる」と評します。『日本獣医事新報』から転載。  >> 詳しく

● BOOK 『教育農場の四季』 澤登早苗著   ・・・・ 古沢 広祐

 教育機関として初めて有機JAS認定を受けた恵泉女学園大学の教育農場での十年間の実践。「学生が1年間の実習の体験後、命ある食べもの姿に感動し、自然に癒され、生物の共存の姿に関心を寄せる様子は、まさに有機農業の教育力のすごさを実感させてくれ」ます。野菜栽培の解説もあります。  >> 詳しく

● 有機農業入門講座 2005年に参加して   ・・・・

 「三人三様のやり方にワクワク」。2月の有機農業入門講座に参加された方の感想です。

● [達人に聞く]「旬の有機農産物」加工のすすめ② 「ぽんせんべい」   ・・・・ 市嶋 豊

 岩手県・東室根村の「かけす農場」で玄米や雑穀を使った「ぽんせんべい」を製造している市嶋さんのお話です。素朴な機械と職人技から生まれる美味しそうな「ぽんせんべい」です。

● あなたも作れる カンタンおいしい野菜料理

 野菜を美味しく食べる簡単料理を3つ。「じゃばらキュウリ」、ヨーグルトを使った「カボチャのサラダ」、キムチで煮込む「ジャガイモのキムチ煮」です。夏野菜を上手に使ってクールダウンを。

● ニュースクリップ

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『土と健康』2005年6月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 3月号の表紙に使ったモクレンの実は不思議な成長の過程を経て、

 最後にはふくれたイボがポカリと割れ、赤い玉がころげ出るという結末を迎える。

 今回使用したのは、プラタナスの実の中身。

 すなわち「すずかけ」のすずの部分が熟して割れると、

 綿毛と、このようなわけのわからぬ小さな玉が、〝ヘソの緒のようなもので連なって出てくるのだ。

 植物学的にはなんなのか知らない。

 種は綿毛と共に飛んでゆくのであろうが、このものはいったいなんなんだろう?

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

●私の発言 EU型オーガニック農業で農業再生を・・・・ 田村 安

有機農地率が9%近いイタリア、オーストリアでは中山間地の小規模農業の生き残り策として有機農業を取り入れました。農業への補助金ではなく環境への補助金で農家を援護する政策です。

 

●北陸研究センターでの遺伝子組み換えイネの野外実験中止を求めて    ・・・・ 天明 伸浩

中央農業総合研究センター北陸研究センター(新潟県上越市)で実施されようとしている遺伝子組み換えイネの屋外隔離圃場栽培試験の中止を求めている新潟からの報告。

 

●有機農業入門講座 2005年    ・・・・ 青年部

2月26日の有機農業入門講座の報告です。新規就農者3人によるパネルディスカッションと、沖津一陽さんの講演をまとめました。参加者の感想も合わせて掲載しました。

 

● JAS法改定案反対を申し入れました    ・・・・ 提携と基準部

日本有機農業研究会は、有機農業団体の登録認定機関の存続を阻害し、有機農産物の輸入を増大させるJAS法改正案に対して、問題を指摘し改善を求める申入書を農水大臣などに送りました。全文を掲載しました。

 

●土壌微生物と作物(中)    ・・・・ 西尾 道徳

昨年11月の「第2回生産者・消費者交流会」での西尾先生の講演記録。3回連載の第2回です。なぜ堆肥化するのか、堆肥化された窒素がどのように作用するのかについて、豊富なデータに基づいて説かれました。

 

●足立区都市農業公園便り  ・・・・ 有機農業サポート室・明石 誠一

東京都足立区の委託を受けて、都市農業公園の畑で有機農業を始めて1年。有機農業サポート室の今月のレポートは、着々と進んでいる夏野菜の準備。どんな種を温床に蒔いたか、そしてその野菜たちが畑に定植されるまでの流れを紹介します。

 

● 「有機」を地域の人々の手に取り戻す動き[アメリカ]  ・・・・ 訳・久保田 裕子

3回連載のエリザベス・ヘンダーソンさんの講演記録の2回目。地域の消費者が支える農業の考え方と現状についての報告です。もう一つの基準認証=地域参加型の有機認証の可能性について述べています。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 「泥寒」と「寒九の雨は夏日照り」    ・・・・ 佐藤 喜作

今号から当会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。「泥寒」?、「寒九の雨は夏日照り」? って何。今年の夏は、日照りで高温になる可能性がある。

 

● [技の交差点] 野猪被害の防除    ・・・・ 渡辺 和彦

ハンターが持ち込んでの放獣もあるというイノシシ。増大する被害に対して「野猪被害の防除講習会」(05年2月・千葉県三芳村)から報告します。

 

● ニュージーランド オーガニック研修旅行記    ・・・・ 窪川典子・井上昌代・八木幸枝

女性3人、冬の農閑期にニュージーランドを訪ねました。ニュージーランドの有機農業の一端が見て取れます。

 

● 「りんごにおけるアレルゲンの発現と農薬防除による抑制」という研究とそれに関するコメントを検討する    ・・・・ 中屋敷 宏

「無農薬栽培のリンゴの方がアレルゲンが多い」という農薬の有用性を主張する研究の無責任さを批判します。売り物でないリンゴを試料として、農薬の危険性を無視して結論を導くことは妥当なのか。

 

● [達人に聞く]「旬の有機農産物」加工のすすめ①「ぬか漬け」    ・・・・ 針塚 藤重

群馬県渋川市で農業とともに漬物を作り続けて、世界に向かって「ぬか漬けを食べましょう!」と、辻説法をして歩いている針塚さん。とてもその歳には見えません。「針塚さんは、元気という病気だ!」。その元気の素は「ぬか漬け」にあり。

 

● 熱き心くん    ・・・・ 香田 雅之

今月の新規就農レポート「熱き心くん」は、香田雅之さん。5年前、愛媛県の無茶々園という有機柑橘生産グループに研修生として来て、3年前に生産者となって、日々みかん山に行っています。

 

● 種から育てよう「九条ネギ」    ・・・・ 北川 フジ子

今月は、育ちやすく、連作もでき、作業が容易で、大きくも、小さくも作れ、用途は多様で、薬味に最適、という九条ネギ。祖父譲りの種採りのコツを北川さんが説明します。

 

● あなたも作れる カンタンおいしい野菜料理    ・・・・ 生活部

野菜を美味しく食べるには。今月は「初夏の野菜料理レシピ」と題して新ジャガの素揚げ煮など3品です。ソラマメ、タマネギなど旬の野菜を使っての料理です。

 

● VIDEO 『あの山を残そう 子どもたちのために』 制作:鳥山敏子  ・・・・ 四宮 鉄男

有機農業の町でもある宮崎県綾町の照葉樹林を命がけで守った元町長の郷田實さんの物語です。「環境」や「エコロジー」という言葉のない1960年代、林野庁の照葉樹林伐採と闘い、その後、過ちを自然の生態系を基調とした有機農業の町へと導きました。

 

●ニュースクリップ

 農業に関連する国際情報、国内情報を簡潔にまとめました。

 

●資料・書籍購入のご案内

 

●情報交差点 /編集後記

 

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『土と健康』2005年4・5月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 木の実でアートを創っているが、よく「種を使った作品」と書かれてしまったりする。

 ぼくはモクレンやタイサンボクの実を使うのであるが、これらの実は種を合わせ持っている事は少ない。

 また、未成熟で落下したものも多く集めているが、未成熟の実の方が乾かして堅くすると成熟したものよりはるかに強靭である。もちろん未成熟なので種はあっても役割を果たさない。

 ドングリは使わない。ハカマを使う。ドングリはタヌキなどの餌だから。

 今回使用したものは、主に草の実で、青いうちに刈り取られてものを見つけて採種した。草の実の場合は、成熟したものはこわれやすくて、とても作品にはならない。成熟した「実」は「種」と同義語であるし、小鳥や小動物の食料である。

 木の実でアートをするようになって生態系のいろいろがより深くなった。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

●私の発言 有機農業に夢と誇りを ―経済合理主義の立場を超えて―

                      ・・・・・・・・槌田 劭

 日本有機農業研究会が産声をあげて30有余年。設立趣意書の初心に立ち返り若者たちと共に自給自立の誇りと理想を求めたい、と主張します。

 

●第33回日本有機農業研究会全国大会・総会 in福島県二本松市 報告特集

 3月5日、6日の両日、福島県二本松市で第33回全国大会・総会を開きました。会場は2階席まで埋まり、全国各地から集まった550名の参加者で満員でした。今月号は、大会報告を特集します。 >> 写真でみる二本松大会

 

○大会基調講演:「みみずと育土」これからの農業は「生物」でやるしかない

                      ・・・・・・・中村 好男

 “みみず先生”中村教授が、ミミズと有機農業の関係について話されました。「ミミズは5つの仕事をもっている」「ミミズは連作障害も防ぐ」「本物の堆肥はミミズ堆肥」「無農薬、無化学肥料、そして耕さない」など。

○ 大会アピール

 食料・農業・農村計画の見直しが「農政改革」として声高に言われていますが、食料自給の向上や自給と一体となった食べ方の変革への歩みはむしろ後退しています。大会では、「自給で輝く農と食と暮らし 地域づくりの基礎に有機農業を」と題した大会アピールを採択しました。 >> 二本松大会アピール全文

 

●土壌微生物と作物(上)    ・・・・・・・・・・・・・・西尾道徳

 昨年11月の「第2回生産者・消費者交流会」での西尾先生の講演記録。3回連載の第1回です。有機農業や有機栽培の現状について、豊富なデータに基づいて説かれました。

 

●足立区都市農業公園便り   ・・・・・有機農業サポート室・明石誠一

 東京都足立区の委託を受けて、都市農業公園の畑で有機農業を始めて1年。有機農業サポート室の今月のレポートは、夏野菜の育苗用の踏み込み温床です。

 >> 詳しく

 

●堆肥が危ない! ―農地を産廃処分場としないために―・・・松沢 政満

 リサイクル堆肥が実は産業廃棄物、という現実。循環型社会、リサイクル、エコロジーなどのキーワードの裏側に潜む危険性を報告します。

 

●「有機」を地域の人々の手に取り戻す動き[アメリカ]・・久保田 裕子

 3回連載のエリザベス・ヘンダーソンさんの講演記録の2回目。地域の消費者が支える農業の考え方と現状についての報告です。

 

●[農場だより]べじたぶる・はーつ    ・・・・・・・・・尾崎 零

 “有機農業運動の広がりは提携の縮小をもたらした?” 昨今の提携の停滞を20年以上大阪で提携を進めてきた尾崎さんが、農場の現状と合わせて分析しています。

 

●あなたも作れる カンタンおいしい野菜料理

 野菜を美味しく食べるには。“今月はカンタン和え物レシピ”と題して、新わかめのショウガ醤油和え、ひたしシラス干し和え、レタスとじゃこのさっと煮の3つ。

 

●ニュースクリップ

 農業に関連する国際情報、国内情報を簡潔にまとめました。

 

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●情報交差点 /編集後記

 

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『土と健康』2005年3月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

「歩き続ける犬」

 「キャン」という名の犬を飼っていた。きゃん!きゃん!鳴いてうるさいばかりの神経質な犬だった。東京の日の出町から伊豆に移動する時、日の出の家を守ってくれる人たちのため、3匹いる犬のうち、一番質(たち)の悪い犬を連れて行くことにした。

 伊豆の仮住まいで飼い始めると「キャン」はよい犬に変質してしまい、顔までかわいい犬になったのだ。きっとこの犬はヤキモチヤキで、他の犬たちよりかまってもらおうとして、「きゃん、きゃん」鳴いていたのだろう。それが女房とぼくの愛を独占できるようになったので、気持ちも身体(からだ)も安定したのにちがいない。

 ぼくは毎日の散歩に「キャン」を連れて歩いた。出会う人が「かわいい犬だこと」とか「愛されている犬は身体までかわいくなるんですね」とかほめられるようになった。

 「キャン」は子犬ではなく、すでに13歳~15歳の老犬であった。目は白内障あんまり見えていないようで、よくけつまづいて転んでいた。耳も遠くて寝ている所に近づいても気づかないし、大声でよんでもとんでもない方向をキョロキョロ見ているようなありさまだった。鼻もきかなくなって、好物を頭のすぐ横に置いてやっても気づかない。

 ある日、「キャン」は行方不明となってしまったのである。いろいろと手をつくして探したが、見つからない。「キャン」は今も見えない目と聞こえない耳ときかない鼻をたよりに、ぼくたちの住んでいる家を探して歩いているように思える。

 でも、行方がわからなくなって5年、とても生きているとは思えない。でも、ぼくも心の中では今も「キャン」は、歩きつづけているように思えてならないのである。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

●私の発言 北海道は、今まさに試されている!  ・・・石塚 おさむ

 昨年秋の降って湧いたような、遺伝子組み換え推進農家による遺伝子組み換え大豆の栽培宣言は記憶に新しい。いま、北海道議会で審議されている「北海道遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」について、有機農家の立場から検討会委員として参加された石塚さん(北海道有機農業研究会事務局長)が、経過と見通しを報告します。

 

●BSE・うつ病・キレル子どもたち-金属イオンと神経疾患 講演録[2]

            ・・・西田 雄三

 人も牛・羊・鹿も同じ!神経疾患の原因は酸化ストレス。前号に引き続いて西田雄三教授(山形大学理学部)の講演の記録。BSE(牛海綿状脳症)とマンガンなどの金属イオンとの関連について解き明かします。鉄イオンの不足が、うつ病やすぐにキレル子どもたちの増大をもたらしています。サプリメントからではなく毎日の食事から採ることの重要性が述べられています。

 

●第2回有機畜産と自給セミナー講演録[パート3]“安全より効率優先”でクスリ漬け

            ・・・ 小暮 一雄

 埼玉県所沢市の獣医師・小暮一雄さんが、「効率重視」「クスリ漬け」畜産の現状と畜産行政の問題点を、獣医師の立場から説き起こします。当事者のモラルに依存しても「安全」は確保できない、と。

 

● 熱き心くん:孤軍奮闘したパートナーに感謝!  ・・・正木 早苗

 【ここから】BSEなどの神経疾患は金属イオンが大きく関与し、牛(BSE)でも羊(スクレイピー)でも人(クロイツフェルト・ヤコブ病)でも発症機構は同じことを明らかにします。そして異常プリオンは肉骨粉とは関係のないこと、それ故「全頭検査」以外に排除の方法がないことを解説します。

 

●食を見直そう 油と健康[その1]“マーガリンはヘルシー”のウソ

            ・・・安田 節子

 40年間に日本人の食生活は大きく変化しました。コメの消費量は半減、肉が5倍、油が4倍に。今号より「食を見直そう」シリーズを始めます。第1回は油の問題です。「マーガリンはヘルシーのウソ」として、なぜ身体に良くないかのレポートです。

 

●秋田有機農業研究会研修会報告 有機農業と地産地消 秋田でどう広めるか

            ・・・谷口 吉光

 いまや全国最大の環境保全型稲作産地となった大潟村や自給運動を展開した旧仁賀保町農協の運動と、歴史ある秋田県の有機農業運動の活性化を、「農家民宿」「地場流通」「産消交流」などをキーワードに議論しました。

 

●「有機」を地域の人々の手に取り戻す動き[アメリカ]解説 エリザベス・ヘンダーソンさんの講演を紹介するにあたって  ・・・久保田 裕子

 アメリカ版の「提携」システムであるCSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)=地域が支える農業についてのレポートです。アメリカでも有機認証の制度化により有機農業の産業化が進展し小規模農家が締め出されようとしています。公的認証でない有機認証を模索する動きも出てきています。

 

●足立区都市農業公園便り  ・・・有機農業サポート室・明石 誠一

 東京都足立区の委託を受けて、都市農業公園の畑で有機農業を始めて1年。有機農業サポート室の今月のレポートは春に向けての堆肥つくり。スズメにも好評の米ヌカと魚粉のボカシ肥も。

 >> 詳しく 

 

●抜群の相性です 有機農業と地域通貨  ・・・片柳 義春

 神奈川県大和市にある「なないろ畑農場」の野菜は、地域通貨がないと買えません。一袋300円のサツマイモには、円貨200円と100円分の地域通貨が必要です。農場で使う堆肥は、地域の公園などの落葉をボランティアが集めます。この作業には地域通貨が支払われます。地域通貨を軸にして有機野菜が提携システムで地域へ。

 

●技の交差点 ネコブセンチュウ対策

 

●あなたもなれるベジタリアン=美味しい野菜料理

 野菜を美味しく食べるには。今月は、大根の揚げ出し豆腐風味、菜の花のからし和え、生野菜のかんきつドレッシング和えの3つ。

 

●BOOK  今月取り上げた新刊は3冊です

 ○ 『伊那谷の田んぼの生き物』 四方 圭一郎編

 ○ 『世界食料戦争』 天笠 啓祐著

 ○ 『イチ子の遺言』 海老沢 とも子・橋本 明子・山崎 久民共著

●ニュースクリップ

 農業に関連する国際情報、国内情報を簡潔にまとめました。

 

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『土と健康』2005年1・2月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 カマキリのカマーちゃん

 冬だというのに アトリエのベランダで

 カマキリがどうどうと歩いている

 逞しいヤツだと感心していたら

 夕方 さすがに寒くてやりきれなくなったとみえて

 ガラス戸の辺りでへたり込んでいた

 暖かい画室に入れてやると 又 元気になって

 ゆうゆう歩きはじめた

 ひろいアトリエをあっちへいったり こっちへきたり

 パネル台の上を闊歩し

 筆立ての筆の 一番長い筆のてっぺんまでのぼったり

 筆洗いの水をのんだり

 ゴキブリをつかまえてきて ピンセットでつまみ

 ひらひらさせると 飛びついてきて バリバリ食べている

 ぼくはこの冬 カマーちゃんとアトリエで同棲することになった

 

 3月27日まで「中越まつだい農舞台」で

 「生命の記憶・木の実」田島征三展を開催している

 4月9日からは練馬区立美術館で「海山のんびりアート展」

 来年は高知県立美術館で田島征彦(タジマユキヒコ)と2人展

 急に公立美術館からひっぱりだこ

 木の実で作品を創るようになってから

 アーティストとしてデビューしたのかな

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

●私の発言 あきらめるわけにはいかない・・・佐藤 喜作

 2005年の初めに、有機農業が先頭に立って仲間を増やし、環境汚染に立ち向かおう、と主張します。

 

●JAS法見直しにおける「提携」と「有機認証」・・・久保田 裕子

 04年10月、JAS制度のあり方研究会が最終報告を提出しました。大きく変わろうとしているJAS制度と「提携」「有機認証」の関係を解説。「有機農業推進法(仮称)」の必要性を解きます。

 

●第2回生産者消費者交流会と種苗交換会を開催・・・鶴巻 義夫

 昨年11月に開かれた第2回の生産者消費者交流会と種苗交換会のレポートです。

 

●BSE・うつ病・キレル子どもたち-金属イオンと神経疾患・・・西田 雄三

 BSEなどの神経疾患は金属イオンが大きく関与し、牛(BSE)でも羊(スクレイピー)でも人(クロイツフェルト・ヤコブ病)でも発症機構は同じことを明らかにします。そして異常プリオンは肉骨粉とは関係のないこと、それ故「全頭検査」以外に排除の方法がないことを解説します。

 

●BSEとうつ病の原因は同じ!・・・ 魚住 道郎

 なぜBSEが発症するのか、という疑問に答えた西田雄三氏の研究を解説します。

 

●足立区都市農業公園便り5・・・有機農業サポート室・明石 誠一

 東京都足立区の委託を受けて、都市農業公園の畑で有機農業を始めて1年。有機農業サポート室の今月のレポートは、堆肥つくりに始まった昨年を振り返ります。>> 詳しく

 

●第2回有機畜産と自給セミナー講演録(2) ・・・萬田 富治

 北里大学教授・萬田さんの講演録。畜産、酪農の現実を踏まえ、牛乳こそ「地産地消」が理想の姿と。都市近郊の耕作放棄地で飼料作物を栽培し新鮮な牛乳を身近に供給することの意味や、自給飼料の大切さを説きます。

 

●農場だより 和田丸有機グループ・・・本郷 茂孝

 愛媛県東温市の和田丸有機グループの始まりは30年ほど前。現在も女性中心に運営。有機JAS認証を取り、愛媛有機農産生協などに出荷しています。消費者との交流を大切にして、消費者の米つくり体験も。

 

●熱き心くん・・・片桐 慎

 今月の新規就農レポートは、福岡県田川郡川崎町の片桐慎さん。「何とかなる」と、後先見ずに裸同然で埼玉県から福岡県へ。楽天主義、「髪結いの亭主」片桐さんのレポートです。

 

●春夏播く種子をお分けします・・・種苗ネットワーク事務局

 種苗ネットワークの頒布している在来種、固定種の春蒔き、夏蒔きの種苗42種類のリストです。お勧めの品種は、ドジョウインゲン(群馬県・佐藤さん)、大豆(小糸在来、千葉県・林さん)、五角の島オクラ(長崎県・岩崎さん)。他には、雑穀、トウモロコシ、カボチャ、まくわうり、トマト、ネギなどです。

 

●交雑の可能性が自家採種運動にブレーキ・・・林 重孝

 国立環境研究所・中嶋氏の研究により、千葉県内の国道51号線沿いに遺伝子組み換え菜種の自生が確認された。千葉県で30年自家採種を続けてきた有機農家の林さんが自家採種運動への影響を報告します。

 

●海外情報 メキシコにおけるGMトウモロコシの影響・・・北林 寿信

 04年11月、北米環境協力協定に基づく環境協力委員会は、メキシコ土着のトウモロコシへの遺伝子組み換えトウモロコシの交雑・拡散防止について報告書を出した。農業情報研究所・北林さんの解説です。

 

●あなたもなれるベジタリアン

 「冬はアツアツがごちそう」の2回目。大根葉のきんぴら、大根のステーキ、白菜と豚肉の花びら鍋の3種類。

 

●ビデオ 遺伝子組み換えNON! ~フランスからのメッセージ~ ・・・安田 節子

 2004年4月にフランスで製作された遺伝子組み換えに関するドキュメンタリー映画を日本語版のビデオにしました。遺伝子組み換え技術のいびつさ、生態系や食にもたらす危険性を、科学者、農民、市民、消費者のそれぞれの立場から指摘しています。

 

●ニュースクリップ

 農業に関連する国際情報、国内情報を簡潔にまとめました。

 

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